【異世界大量転生3】異世界とかよくわかんないけど、とりあえず好きに生きる。

13 魅惑のキャッチセールス

「……と、ここまではオリジンとしての事情なんだけど、次は鬼人族の長としてのお話ね？今現在、僕の妹の瑞穂とロタリンギア王太子の婚約は破棄された。度重なる非礼も『レスト』をこちらに渡すことで手打ちにした」


ふんふん。


「でもね、いつ「返せ」って言われるかわからないから……っていうか、確実にもうすぐ返せって言われるから、僕と結婚しようか」


………はい？？？


「え……やだよ。そりゃこの世界、男の嫁ってのがあるらしいけど…」

「大丈夫！僕がお嫁さんで良いから！」

「良くねえよ！なにが大丈夫なんだよ！？」

「三食昼寝嫁付きで、今ならなんと《久遠》を触り放題！」

「なんだよその魅惑のキャッチセールス！」

「お腹いっぱい食べさせてあげるよ？どこか侵略したら食べ放題だよ？面倒な戦後処理とかハーレムの管理は全部僕がやってあげる。君は好きなだけ殺して食べて抱けば良い」

「やってることオリジンの時と変わんないじゃん…」

「そうだよ？そう ーーー 《久遠》が望んだからね」

「…《桜座おれ》は………《久遠》しか愛せない。この『レスト』の体で、『刹那』の心で、《常盤》を愛することはない」

「………いいよ、それで。刹那きみの傍に居させてくれるなら」


なんだよ、それ…。


「俺は、お前以外も食うよ？愛人も増えるし、家畜も食うよ？」

「…うん」

「お前を食った分も、これから殺して食う分も、全部全部、《久遠》に使うぞ？この世界の生き物がお前だけになったら、お前の根源も食って《久遠》に注ぐ」

「わかってる」

「《久遠》が元のままに回復したら、《久遠》以外には触れないかもしれないぞ？」

「そうだろうね」



「なんでそんな馬鹿なんだ、お前」

「馬鹿、なんだよ。だって、こんな酷い男が欲しくて欲しくて堪らないんだもの」




「ばっかだなあ……《久遠》そっくりだよ、お前」