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女神の断罪 2
しおりを挟む「それでも現王ファーガスは善き王だった?いや、違う!ファーガス王の布いた善政は当時、王太子の婚約者だったわたくしが提言し、王妃が各方面を調整し、布いたもの。手柄だけを横取りし、王は血税で淫蕩に耽った」
王妃様がそっと目を伏せます。
「ええいやめよ!エマ!貴様、側妃の分際で!女の分際で!あの屑石の娘の分際で!!しかもその赤子はシャーロットがどこぞの馬の骨と成した子ではないか!私の子ではない!私の息子は……」
「残念ながらファーガス王、王太子セオドアは貴方の息子ではない。20年前、貴方が罠に嵌めて事故死させたソルライトの王子の子。婚約者を亡くした公爵令嬢は身籠もっていた。それが王太子セオドアだ」
「違う!私の子だ!夏空色の瞳だ!ルネライトの、我が王家の瞳の色だ!!私の……」
「……認めませんか…。仕方がありません、連れてきてください」
騎士に連れられてきたのは女性と少女。女性はわたくしたちより少し歳上、少女は12~3歳くらいかしら?目の覚めるような青い髪は蝋燭の灯りでも目立ちます。瞳の色はきっと暗い紫なのでしょう。
「この子たちはファーガス王が城の使用人に手を付けて産ませた者たちだ。貴方は処分したつもりだったのだろうが、何かに使えると思った者が辺境の村に金貨を掴ませ育てさせた。その村にはまだ数名の青い髪の子供が居る」
「~~っ!ち、がう!違う!違う違う違う違う違う違う違う!!私の子供ではない!!違う!!私の子は金の髪に宝石瞳のはず!そうなる筈だ!!あの出来損ないでさえ宝石瞳の子を産んだ!だからそう、お前の!エマ、お前の、シーグローブの胎を使えばきっと私の正統性が証明されるのだ!!」
ええ、控えめに言わずとも気持ちの悪いお方ですね。女をなんだと思っていらっしゃるのかしら?しかもお母様を貶してシーグローブを便利な道具扱いでしょうか?認めなくてもまだまだ罪状はございますのよ?そう口を開きかけると、青い髪の少女が空気を読まずに喋り始めます。
「ねえ、どうでもいいんだけどいつまであたしを立たせるの?あたしはお姫様なのよ?あたしの父親は王様なんだから!ママがそういってたんだから!」
「……そう、貴女のお母様のお名前は?」
「アデラ!ミューラー子爵家のアデラよ!ねえあなた、あなたはきれいだからあたしの召使いにしてあげるわ!喉が渇いたの!お菓子と果実水を持ってきてよ!」
「メラニー!!も…申し訳ございません!!やめなさいメラニー!!ここにいらっしゃるのは高貴な方々ばかりなの!!申し訳ございません!!子供の戯言です!申し訳……」
「よろしいですわ、子供ですもの」
追って沙汰は致しますが、この子に構う時間が惜しいのです。
「アデラ・ミューラー。資料にもある、行方不明の子爵家の令嬢。側妃になると周囲に嘯いて、そのまま失踪。ファーガス王、覚えは?」
「ある筈がない!」
息を吐くように嘘を吐きましたね、この排泄物。
「では次。ファーガス王、貴方には外患誘致の疑いもある」
そう、このウンコ、帝国と通じてやがりました。思わず言葉が乱れるほどの汚物っぷりでございますでしょう!?
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