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【国王視点】
しおりを挟むセオドアの側妃が子を産んだ。宝石瞳の双子の子供。赤と青の宝石瞳は『勇者の再来』などと言われている。なんということだ!やはりあの女は金の卵を産む雌鶏だったのだ!
やはり、セオドアと婚姻を結んでから、いや一度子を成してから……などと機会を伺うのではなかった。行方不明にして、閉じ込めて犯して孕ませるべきだった。驚くほどの幸運に恵まれた『シーグローブ一族』の女。妹は良いものを残してくれた。出来損ないの屑石であった妹は宝玉を産んで死んだ。屑は屑なりに使い道があったということだ。
多少、女としての色気に欠けるがあれほど美しければ問題ない。すぐにでも私の閨に呼ぼう。そして、私の子供も宝石瞳が生まれるのだと。私は正当な後継者であったのだと知らしめねばならん。
ソルライトの公爵令嬢だった王妃は二度と子供を産めないらしい。そんな女を抱く気にはなれず、何人か使用人たちを孕ませてみたが宝石瞳どころか紺碧の瞳の子供も生まれなかった。
私は王だ。ルネライトの国王。そんなはずはない。神に祝福された王なのだ。全て胎が悪い。運の悪い女や血筋の卑しい女の胎が悪いのだ。
私は王太子妃の食事に出させていた堕胎の草をやめ、興奮作用のある草に変更するように命じた。これでセオドアは王太子妃に構わざるを得ない。その隙に私が側妃に胤を付けてやろう。
私は側妃を晩餐に誘った。酒と興奮作用のある草を食わせ、閨に連れ込もう。あの草は一度試したが、どうでもよくなる草だ。使用人を3人ほど壊した。
晩餐に現れた側妃は女神のように美しかった。とても出産直後だとは思えない。しかも胸が少し育っているではないか…!ううむ、これは期待できる!
私の指示に気付いたのか、王妃が顔色を悪くしていた。私を奪われると思ったのだろう。可愛いところもあるではないか。子を産めぬ役立たずではあるが、側妃の後でたっぷりと可愛がってやろう。
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