側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。

とうや

文字の大きさ
52 / 92

これだから殿方は!!

しおりを挟む


食事を終えて側妃宮に帰ろうとすると、侍女から「殿下のお渡りがございます」と囁かれました。昨日と同じ『夜の間』で湯浴みを終わらせ、侍女たちが下がり……ぼーっと夜着のまま寝台に腰掛けて待っているとセオドア様がいらっしゃいました。


「………」

「………やあ、エマ」


そして扉を閉めた直後に、大きな壁の絵がカコン、と外れてケイレブが。


………えっ、なにこれ…気まずいです……。


「じゃあ交代」

「おう」


ぱん!とお互いの手のひらを叩き合って ーーー 要するに前世のハイタッチですわね。あれを楽しそうにやって、セオドア様は絵の裏に隠されていた通路に消えていきました。

えっ、なにそれ?超羨ましいんですけど!?

セオドア様とケイレブ、喧嘩する前より仲良しなんですけど!?男の子って…いいえ、殿方って……どうしてこう、わたくしたち女性が入り込めない世界を作るんですの!?なにも言わなくてもわかってる、みたいな!わたくし、2人にそんなふうにしてもらったことありませんわ!狡い狡い狡すぎますわ!!


「エマ…」

「……なんですの?」


膨れっ面のわたくしの頬を突いてケイレブが笑います。


「子供の頃に戻ったみたいだ。エマが怒ってる」

「………」


あら?そういえば。いけませんね、わたくし、6つの時から頑張った淑女教育という名の鍍金メッキが剥がれてきてますわ。


「……はあ、可愛い。いや待て、えー…ああ、そうだ。お前、なんかあの色ボケジジイに狙われてるらしいから、セオドアが毎日『お渡り』するって」


え……


「ついでにしっかり子作りしろって言われた。その辺もきな臭いらしいな」


ええええええ……


「ちょっとお待ちになって?その、ついでとか…まさか……そんな軽い感じで…?」

「うん。だって、お前の立ち直りの早さ見たら、俺もセオドアも『あれ?そんなに絶望でもないかも?』って思ってな?」

「なんですかそれ!?」


し、し、神聖な夫婦の共同作業を、なんだと思ってるんですか!?


「これだから殿方は!!」

「差別か!?」





差別ではありません!事実です!!








********************************************

謝罪も何にもなく普通に幼馴染に戻れる彼らはやはり脳みそおかしい。でもいますよねこういう人…。



裏設定

エマの淑女教育を担当したのはパティ。パティは他国の王族に嫁ぐ予定で高度な淑女教育を習得し終えていた。

しおりを挟む
感想 385

あなたにおすすめの小説

お二人共、どうぞお幸せに……もう二度と勘違いはしませんから

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【もう私は必要ありませんよね?】 私には2人の幼なじみがいる。一人は美しくて親切な伯爵令嬢。もう一人は笑顔が素敵で穏やかな伯爵令息。 その一方、私は貴族とは名ばかりのしがない男爵家出身だった。けれど2人は身分差に関係なく私に優しく接してくれるとても大切な存在であり、私は密かに彼に恋していた。 ある日のこと。病弱だった父が亡くなり、家を手放さなければならない 自体に陥る。幼い弟は父の知り合いに引き取られることになったが、私は住む場所を失ってしまう。 そんな矢先、幼なじみの彼に「一生、面倒をみてあげるから家においで」と声をかけられた。まるで夢のような誘いに、私は喜んで彼の元へ身を寄せることになったのだが―― ※ 他サイトでも投稿中   途中まで鬱展開続きます(注意)

私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです

こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。 まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。 幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。 「子供が欲しいの」 「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」 それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。

結婚しても別居して私は楽しくくらしたいので、どうぞ好きな女性を作ってください

シンさん
ファンタジー
サナス伯爵の娘、ニーナは隣国のアルデーテ王国の王太子との婚約が決まる。 国に行ったはいいけど、王都から程遠い別邸に放置され、1度も会いに来る事はない。 溺愛する女性がいるとの噂も! それって最高!好きでもない男の子供をつくらなくていいかもしれないし。 それに私は、最初から別居して楽しく暮らしたかったんだから! そんな別居願望たっぷりの伯爵令嬢と王子の恋愛ストーリー 最後まで書きあがっていますので、随時更新します。 表紙はエブリスタでBeeさんに描いて頂きました!綺麗なイラストが沢山ございます。リンク貼らせていただきました。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi(がっち)
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

旦那様には愛人がいますが気にしません。

りつ
恋愛
 イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。 ※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。

幼馴染を溺愛する旦那様の前からは、もう消えてあげることにします

睡蓮
恋愛
「旦那様、もう幼馴染だけを愛されればいいじゃありませんか。私はいらない存在らしいので、静かにいなくなってあげます」

幼馴染の王女様の方が大切な婚約者は要らない。愛してる? もう興味ありません。

藍川みいな
恋愛
婚約者のカイン様は、婚約者の私よりも幼馴染みのクリスティ王女殿下ばかりを優先する。 何度も約束を破られ、彼と過ごせる時間は全くなかった。約束を破る理由はいつだって、「クリスティが……」だ。 同じ学園に通っているのに、私はまるで他人のよう。毎日毎日、二人の仲のいい姿を見せられ、苦しんでいることさえ彼は気付かない。 もうやめる。 カイン様との婚約は解消する。 でもなぜか、別れを告げたのに彼が付きまとってくる。 愛してる? 私はもう、あなたに興味はありません! 一度完結したのですが、続編を書くことにしました。読んでいただけると嬉しいです。 いつもありがとうございます。 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 沢山の感想ありがとうございます。返信出来ず、申し訳ありません。

王太子妃は離婚したい

凛江
恋愛
アルゴン国の第二王女フレイアは、婚約者であり、幼い頃より想いを寄せていた隣国テルルの王太子セレンに嫁ぐ。 だが、期待を胸に臨んだ婚姻の日、待っていたのは夫セレンの冷たい瞳だった。 ※この作品は、読んでいただいた皆さまのおかげで書籍化することができました。 綺麗なイラストまでつけていただき感無量です。 これまで応援いただき、本当にありがとうございました。 レジーナのサイトで番外編が読めますので、そちらものぞいていただけると嬉しいです。 https://www.regina-books.com/extra/login

処理中です...