側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。

とうや

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出張していた侍女たちが帰ってきました

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王城に出張していた侍女たちが公爵邸に帰ってきました。わたくしの私物と共に。

あら?そう言えば私物は置きっぱなしでしたわね。王太子妃教育が終了してその日のうちに側妃にと決まったから、そのままお父様に連れられて帰ってきてしまったのです。元々私物も少なかったですから、忘れてしまっていました。


「もう我慢なりませんッ!!あの女狐!泥棒猫!!部屋ごとお嬢様のドレスや宝飾品を奪おうとしました!!」


あら?侍女のパティが珍しくプリプリね。わたくしの持つドレスや宝石はあの令嬢の好みではないでしょうに。


「……そう。お相手の令嬢があの部屋に…王太子妃の部屋に入ったのね」

「お嬢様…!」


日当たりが良くて薔薇のアーチが見える、とても素敵な部屋。殿下の隣の ーーー 。


「そうね、あの部屋は王太子妃のための部屋。わたくしは側妃ですもの。おとなしく後宮に行きましょう」

「お嬢様!後宮は先々代から100年近く使われていないのですよ!?あんな廃墟同然の場所にお嬢様を閉じこめるなど…!!」

「あら?閉じこもる気はないのよ?側妃のお仕事の拠点を構えるわ」

「「「え……?」」」

「そうね、うっかりしていたわ!後宮の環境を整えなくてはいけないわ。男性でも問題なく入れるようにして、応接室と食堂、宿泊施設に大広間ダンスホール。ああ、そうね。商談をするならバーカウンターを作ってもいいわ。お父様にお願いして大改装しなくては。がなくなった分のお金はそちらに回していただきましょう」


あらあら、のんびりしていたけれど、もしかして人材育成からのスタートなのかしら。



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