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ラスボスが現れた

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ラスボスが現れた!

……いや、うん…公爵令嬢なんだけどね?

卒業パーティーまでの間に何故かお茶してます。気まずいです。だってさあ?このお姫様が俺を捨てろって言ったからクソ王太子が俺をポイしちゃった訳で。

まあね、お姫様正しいよ?だってあのままだったらいずれ俺、王太子に尻を差し出しただろうし。政略結婚って言っても、男の性欲処理係侍らせてるとか爆弾抱えてるのと同じだよね。

丸いテーブルの上に、可愛らしい砂糖菓子と紅茶が乗っている。……ごめんお姫様。俺、前世からコーヒー派なんだ。しかも甘いもの苦手なんだ。母親似のこんな顔してるけど、好物はガッツリ肉の入ったサンドイッチだ。


「……それで?側近に戻って頂けるの?」


麗しの公爵令嬢はにっこり笑った。あー、顔だけ見れば優しそうなんだけどなあ。優しいだけで王太子の婚約者なんかやってらんないよなあ。


「無理です。もう愛想が尽きました。ウィステリア・マクラーレンは死んだものと思ってください。ここに居るのは平民ウィステリアです」

「あら…まあ……」


俺の歯に衣着せぬ物言いに怒る風でもなく、公爵令嬢はホウ…と溜息を吐いた。


「困りましたわ。だって貴方を失った殿下、あまりに使のですもの」


おっとこちらもストレートに来たな。


「ねえ?何も愛人に戻れとは言わないわ。側近としてあの方をしてくださるだけでいいの」

「無理です」

「貴方の夫と一緒でいいわ。爵位も与えましょう」

「俺はもうすぐこの国を出ます。爵位は要りません」

「………出国許可を取り消してもいいのよ?」


あー…やっぱり脅してきたか。平民って辛いなあ…。平民じゃなくても、彼女に逆らえるのは国王陛下くらいのものだろうけど。


「お断りします。


旦那が参戦。テーブルの下では俺の手をギュッて握ってくれてる。ああ~、良い旦那だなあ。ひねくれまくった俺には勿体無いくらいの。勿体ないって謙遜するけど、でもだからってコイツと結婚したいって女が現れたって離婚はしない。ジョゼの妻の座は俺のもんだ。死守する。


「……そう。仕方ないわね?わたくしも殿には睨まれたくないわ」

「……?」


ジョセフ?殿下?

旦那の顔を見ると……わあこっわ!なんかめっちゃ怒ってる!?そんなジョゼのブスくれ顔もどこ吹く風で、公爵令嬢は紅茶のカップを唇に付けた。


「……はあ。わたくしも?」









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