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黒幕からの瞬殺(殺してない)

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GYUWOOOOOOOOOOOOOOOOO!!


が吼える。その体はメキメキと音を立てながら巨大化していき、北天宮の屋根を軽く突き破ってくれた。結界を張るけど埃がすごくて視界が悪い。ぶっちゃけめんどくさい。元嫁が目の前で破裂して《眷属》が爆誕したっていうのに、びっくりするくらい心が凪いでいる。やはり『グレン』という人格は『穂高』に塗りつぶされてしまったらしい。


「アッハハハハハハハハハハハハハハ!!素敵!素敵ね!!良いだわ!」


幼い少女の声。狂ったように笑っている。


「…………………よう、《天宮あめみや》」


深紅の薔薇のようなドレスを着た少女。まー、少女に見えてもピオ母ちゃんが今年47歳だから…。


「45歳くらい?痛くね?そのドレス?」

「グレン?そういう場合じゃないよ?」

「余裕だな旦那…」

「グレン、女性に年齢とファッションの話を振ってはいけないと母上から言われただろう?」

「ああ、お酒が進みますねえ」

「あんたたち人の話を聞きなさいよ!!」


ランチェスター公爵夫人の皮を被った《天宮》が吼える。


原初の獣オリジン》第二世代《天宮》。言いたかないが《高天わたし》と《久遠》の子だ。《唯一》に「進化に多様性を持たせろ」とか言われて渋々作った。一柱しか作らなかったからある意味レア。そして性格悪い。きっと《久遠》に似たんだな。


「さあ殺し尽くせ!!わたくしの物語を……」


言い終わらないうちにアルヴィンが跳んだ。入ってすぐにボディチェックとかしたけどさあ?ごめんな?うちの物理担当嫁は既に気合いとかで光の剣とか出せちゃうんだ。聖剣とかそういうの要らないレベル。下手な剣握ってもすぐに壊しちゃうらしいよ。一眞に言わせりゃ清々しいほどの火力極振りらしい。

猿にも似た《眷属》の腕をアルヴィンが瞬く間に叩き斬り、両足の膝を蹴り砕く。容赦がねえ。それ、一応素体は俺の元嫁だからね?もう人間には戻れないけど。

追撃する様に兄ちゃんの魔法が周囲を凍らせていく。待って、それってオーバーキルだから待って。元嫁が可哀想とかさあ……あっ、ないね?聞いた俺が馬鹿です、ええ。俺が可哀想とかないんだから今嫁達は恨みつらみしかないらしい。

高天わたし》の作ったヴァイスくんには劣るとはいえ一瞬で制圧。ポカンとしている《天宮》を拘束する。ガゴンとすっごい音がしたけどさすがに第二世代。潰れてない。超無傷。無傷じゃないのは北天宮の床。なーむー。


「アッハ!つーかまーえーたっ♪」

「ひいっ!?」









「やってくれたね?坂宮沙耶香さかみやさやか












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