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殲滅部隊からの絶望の始まり

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ドーン王国国家保安局、略して殲滅部隊。いつか動くとは思ってたんだけど、案外遅かったね。

まあが動いたんなら殲滅魔法4~5発ぶち込んで終わりなんだろうけど、それじゃあ面白くないだろ?

殲滅部隊がブレイブリー・ドーンの通りなら、俺は弱点も回避の仕方も知っている。仲間達と遊んでたんだもん。


…って。


で、倒せたんだよね?ゲームでは。

殲滅部隊はブレイブリー・ドーンでもチート中のチート。戦闘開始直後からモーションなしで多種多様の殲滅魔法をぶち込んでくる魔術師集団だ。普段の生態は不明。性別も不明。それどころか本当にかどうかも怪しい。全身を覆う真っ黒なローブに顔の見えないとんがり頭巾。まんま黒魔術の怪しい集団。

今現在、クロの生み出した雑魚モンスター達を殲滅中……なんだけど。まー、うまくいかないよね?だってこの雑魚モンスター、に変えてあるんだもん。

の生み出した新しい《眷属》。それを守護する者たちの。そういう設定だよ。

聖魔法の加護って意外と万能で、特にディフェンスの面ではかなり優秀。ダメージ半減に自己修復。はっきり言ってめんどくさい。倒したはずの敵が振り向いたら復活してる。殲滅部隊が一番苦手なパターンだ。

だってあいつらスタミナないもん。火力馬鹿なだけだもん。魔力と体力切れたら撤退するだろ?でも退路を大量の雑魚モンスターで潰されたら?転移魔法も回復魔法も魔法陣で完全に封じたら?上下左右、空も地下も全部魔法陣とモンスターで埋めちゃうよ?数の暴力ってこういう事だよ。


「えげちゅない…」


白目を剥いて、一眞が呟く。


「ええ~?普通だろ?むしろなまぬるい」


刹那さんや、これが生温いとか秋津は地獄かな?

うん。頑張ってる頑張ってる。でもね殲滅部隊のみんな、これは前菜だからね!やだなあ、せっかくだから全力でおもてなしするよ!

僅か十数名までに減った殲滅部隊員たちが互いに背を預けて陣形を組む。良い判断だ。下手に逃げようとすると死ぬよ?逃げなくても死ぬけどね?

一際目立つ、白い小さいとんがり頭巾。ローブも白。あれだけ動きが違う。魔法を早々に切り捨てて剣で戦っているのはだけだ。多分あれがリーダーなんだろう。だってあの男(?)の前だけ殲滅が早いもん。敵じゃなけりゃ即座にスカウトするレベル。

でもね?残念!そろそろメインディッシュをお出ししようかな?


不気味な地響きとともに地が裂ける。







物凄い轟音を響かせながら《眷属メインディッシュ》が裂け目からお目見えした。















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