【異世界大量転生5終】辺境伯次男は鬱展開を全力で回避する

新婚旅行からのビジネス

もっと祭り直前に来るかと思ったのに、嫁会決定してすぐに《八雲》たちはこっちに来た。なんでも《八雲》たち夫婦、なし崩しに結婚して、《八雲》が体調崩したまま娘と息子ができて、国のゴタゴタに巻き込まれ、挙句に《逸霊》が襲撃してきたらしく新婚旅行さえできていなかった…と。

……ん？俺んとこも新婚旅行とかやってないぞ？

うちもやってないね、どこ行きたい？って兄ちゃんに聞くと


「お前がここに居るのに、行く意味があるのか？」


……だってさ。

うーん…ほらね？旦那としては嫁になんかしてあげたいっていうかさあ。ねえ？

周りに同意を求めようとしたが、やはりその辺の感覚は転生者しかわかってもらえない。でもレイだけがキラキラした目で俺を見ていた。おっ、おっ、おっ？これイケるんじゃね？


「凄いよグレン！天っ才か！？」


そうだろうそうだろう！考えたの俺じゃないけどな！


「キャッチフレーズは『新婚旅行は愛の大天使の国ナイトレイへ！雪と氷と灯火のロマンチック街道』とか？ああ…っ、ぼやぼやしてられない！僕ちょっと宿屋部門に行ってくるから！！」


………うん。知ってた…(´；ω；｀)


「そうだな…旅行はしなくてもいいが、夫婦4人で雪祭りを回ろうか。他国に行かずともナイトレイには美しい景色がある」

「…うん、そうだね。美味しいものもあるしね？」


兄ちゃんは言いたいことわかってくれて良いなあ。さすが年長者だ。落ち着きすぎて時々年齢詐称してんじゃないかって疑うレベル。




さあ今年はお客さんも多いだろうし！がんばろう！