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キリングベアーからの宴会
しおりを挟むキリングベアーの肉は美味い。キリングとかいうくせに主食は果物と蜂蜜。癖があるって言うけど、食べ始めるとクセになるんだ。脂は甘くて皮下脂肪はコリッコリ。皮付きのイノシシ肉っぽい。人によっては胸焼けするらしいけど。熊っていうとめっちゃ固い肉かと思いきや、硬い毛皮を剥ぐと思いの外柔らかい。異世界のクマ素晴らしい!(主に食材として)
「んんん!良いね!まだ子熊って感じで初々しいね!モツ焼とー♪角煮とー♪ハンバーグとー♪」
《おお…!穂高!ろぉすとびぃふも忘れないでくれ!我はあの生焼け肉が大好きだ!》
生焼けいうな。しかもビーフじゃねぇよベアーだよ!
キリングベアーをその辺の木に逆さ釣りにして血抜き。そのまま吊るし切りで夢中で捌いてると、ドン引きもドン引きのドワーフどもと苦笑する従僕と嫁たち。
「坊のお綺麗な顔で嬉しそうにデカいクマ捌いてると猟奇的っつーか……なあ?」
「まあ…グレン様ですし」
「我が弟ながら逞しいというかなんというか…」
「もう慣れたよ…グレンの奇行……」
「初めて会った時もこうして肉捌いてたし……今更か…」
ええー?お前らそんなこと言うとやらないぞ?美味しいんだからな!?
「……仕方ない。手伝おう」
「ありがとうアルヴィン!モツ水洗いして!」
「……うっ。内臓か…」
モツはちゃんと洗うと美味しいよ?
「…ふう。もう~!僕、商会に戻って色々取ってくるから。クロくん、乗せて」
《承知した》
なんかレイとクロって結構仲良しなんだよね。
「ふむ…ではドワーフ族の諸君、会場設営といこうか」
「ヒャッハー!酒じゃ肉じゃああああ!」
「坊の手料理じゃあああ!!」
「近くの村の酒全部買ってこーい!」
「私は村で野菜を買ってきます」
わーい、宴会だあ!
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