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恋と愛
しおりを挟む誰かが泣いている。誰だろう。あったかい手が、俺の手を握ってる。その手に、ポタポタ、ポタポタ…。
……ああ、アルヴィンか。
誰だよ、アルヴィン泣かしたの。なあ、アルヴィン?誰に泣かされた?俺が行ってぶん殴って来てやるから。な?泣くなって。ア………
「……アル、ヴィン…?」
「グレン…!!」
……あれ?ここ………うん、俺の部屋か。布団が気持ちいい。
やべえ。アルヴィン泣かしたの俺か!?
あの後。
俺は魔力の使いすぎで機能停止したらしい。ぶっちゃけ心臓止まったみたい。そりゃもう大騒ぎ。《桜座》が大笑いしながら口移しで魔力を大量に突っ込んでくれて呼吸が戻った……と。
ぎゅうぎゅう抱きしめてくるアルヴィンの後ろで、兄ちゃんとレイが……あれ…マジでキレてない!?
「馬鹿グレン!!なんて無茶したの…!」
えっと…ノリで?
「二度とするな。今度そんな素振りでも見せたら監禁する」
えええええええ…
でもなあ……
「あの時しか、なかったんだ…」
ぽつりと呟くと、嫁3人が一斉にこっち見た。…ちょっと怖い。
「……俺ね、ちょっと精神操作系の呪い食らっててね…?」
「知っている」
あっ、《奈落》の奴か!あいつぅ!どこまでネタバラシしてやがんだ!?
「解くなら今!って思ったんだ。ほら、結果オーライ?みたいな?」
「よし、ジェラルド様、監禁しましょう」
「そうだな」
「わあ!待て待て待て!…で、でね!?」
「…………」
怖い!めっちゃ無言のアルヴィンが一番怖い。
「自由に、なって ーーー ちゃんと恋がしたかった、っていうか…?」
何言ってんだコイツ!?みたいな顔やめたげてよおおおおおお!!
「《高天》の意識があって、《唯一》から完全に遮断されて。ちゃんと、恋がしたかった。兄ちゃんと、レイと、アルヴィンと」
《桜座》に恋焦がれた、あの焼けつくような気持ちじゃなくて。
俺を好きだって言ってくれたこの3人と、ちゃんと恋がしたかった。
「………で?」
兄ちゃんが溜息を吐く。ひどい。地味にひどい。
「『恋』は、したのか?」
「…………うーん……」
あっ、今度はレイが泣きそう。ヤバいヤバいヤバい!えっと!えっとね!!
「恋っていうか、3人とも、すげえ好き」
照れ隠しに笑ったら、凄い勢いでアルヴィンからキスされた。痛い痛い痛い舌噛んだ舌が!歯が!やめろアルヴィンそれって暴力だから!!!
そのままなんか脱がされて………え?は???なんで視界の端でレイも服脱いでんの???兄ちゃんなんで鍵閉めてんの!?
「では今夜も愛の確認をしようか。もちろん4人で」
……………えっ。
えええええええええええええええええええ……
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