【異世界大量転生5終】辺境伯次男は鬱展開を全力で回避する

魔法陣重複展開からの壁システム起動

さて、頃合いか。

俺は周囲に光の色をした魔法陣を複数展開する。さあ、オリジン第一世代《高天》にしかできない芸当をお見せしよう！


《ティナ、『楽園の壁ヴァントエールデン』起動》

『ヴァントエールデン起動……成功しました。定義と範囲を指定してください』

《範囲、オリジン第一世代《高天》の領地ハーレム全域。定義、私のものに悪意を持つもの全て。侵入を拒否。命令オーダーを待つ必要はない。即刻排除。それがたとえ、《唯一》であろうとも》

『定義と範囲を設定中………エラー。《唯一》の排除は赦されていません。再試行します。……エラー、再試行します。…………エラー、続けますか？Y/N』

《再試行を。《唯一》であろうと、私の楽園に手を出すことは許さない》

『再試行を実行します………エラー、再試行します。………エラー。エラー。エラー……』


オリジンといういきものを知っている者全てが固唾を飲んで見守っている。


そう。《高天おれ》がやっているのは《唯一》からの離脱なのだから。


魔法陣を増やす。俺の周囲に光の大洪水が起こる。嫁たちに腹いっぱい貰っていた魔力がぐんぐんなくなっていく。……構うもんか！根源が侵されようと俺は……私は…………




私は自由になる！





『再試行します………………成功しました。おめでとうございます！ヴァントエールデン搭載型領地防衛システム『ティナ』はこれより、オリジン第一世代《高天》の所有物全てを全力を用いて保護します』


魔法陣全てがティナに……ナイトレイ本宅に向かって吸い込まれていく。わあっと歓声が上がった。



「やりやがった…！」



薄れゆく意識の端で、呆然と《奈落》が呟くのが聞こえた。