【異世界大量転生4】役に立たない淫売聖女(♂)は極寒の地に追放されました。※なお、英雄王弟は即追いかけて行った模様です。

とうや

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始まりと終わり

95 お土産(女神視点)

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さっきから地鳴りが止まらない。

ああ…のだ。いや、終わると言った方がいい。

この世界が終わる。



私と《桜座》の……いいえ、《桜座》にのが終わるのだ。



散々だった。

ちいさきものこのからだ》に閉じ込められ、魔力をすべて封じられ、捨て置かれた。王太子に見つかって足枷をされて閉じ込められた。挙句に犯され続けて妊娠。

ああ…腹が重い。


「よう《香久》。いいざまだな?」


《桜座》が ーーー 笑っていた。


「……もう、いいでしょ?私の負けよ…!第一世代に勝てるわけないじゃないっ!!」

「ええ~?もっと踏ん張れよ?……って言いたいけど、タイムリミットだ」


私はほっと胸を撫で下ろす。

もういい。早く終わらせて。私は《桜座》のハーレムに吸収されるだろう。でも、ここで消滅するよりマシだ。


「ホントはお前はここで放置して消滅させるはずだったんだけどさあ?」


ギクリと私の体が強張る。


「い…いや……!!嫌よ!連れて行ってよ!もう嫌よ!こんな…こんな世界!!」

「ああ…うん!それそれ!それだよ!その泣きっツラ見たかったんだよ!でもな?塑空が……《御蔵》がなあ…」


《御蔵》…?……ああ、《御蔵》!!

《御蔵》は《香久わたし》の子だ。たいした力もない搾りかすのようなオリジンだったけど……そう。役に立ってくれたのね!


「食べさせたいんだって」


……………………は?


「俺の子の《迦陵》と《御蔵》、いまめっちゃ仲良いんだわ。でな?その《迦陵》、いま深刻な魔力不足でなぁ。《御蔵》が精をつけさせるんだって言ってな?」

「……え…、な…なに…?なにを、言って…るの?」

「良いがあったら持って帰ってくれ、ってお願いされちゃって」

「……………!!??」


《桜座》が私に手を伸ばす。










「喜んでくれると良いなあ」







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