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始まりと終わり
93 わたしの群れにお前は要らない(ノア視点)
しおりを挟むわたしの旦那様(元養父)は変態だった…。
く…!引いちゃうくらい変態なのに、その対象がわたしだってだけで許せる!ごまかしの笑顔かっこいい!好き!
だってアレクはずっと優しかった。告白されたときはちょっと困ったけど、でも花が咲いちゃうくらい嬉しかったんだ。
「ノアッ!こんな…こんな気持ちの悪い犯罪者に絆されたのか!」
あ、うん。でもまあやられた本人が許しちゃってるからいいと思う。
「私に捨てられたからといって…なんということだ!この男はな、変態の上に人殺しだぞ!?今だって屍を山と積み上げて!なんでもないようにお前を腕に抱いている」
「………」
今ならわかる。
死ね、とアレクを戦場から戦場へ送り出していたのは彼らヴァンダル国だ。死ね、と誰かを呪い、呪詛を吐き続けないと生きていけない歪な国。
だから、アレクやみんなは《ちいさきもの》なのに、同胞を殺してもなんとも思わないように歪んだ。《ちいさきもの》の倫理から外れてしまった。
そのみんなを、アレクを、このわたしが連れて行ってなにが悪い。
「……それで?」
「ノア…!!」
「それで?王太子殿下。貴方はなにが言いたいんです?アレクを捨てて、自分を選んで欲しいんですか?それで?わたしを得た後は?父様たちのお力なしにどうやって天上の世界へ行くつもりです?まさか、悪魔と罵り無礼を働いたにも関わらず父様にお縋りする気ですか?わたしと番った後はアレクのようにわたしを守ってくれますか?みんなのように人間をやめてくださいますか? ーーー わたしが、人外の《オリジン》だと言うことを理解して頂いていますか?」
「………っ!」
「ばけものと、悠久の時を生きていく覚悟はあるのですか?」
まるでお話にならない。
今まで、誰かがなんとかしてくれていた王太子は、今度はわたしがなんとかしてあげると思ったんだろう。
なんの覚悟もない子供。決断すらできない。失敗はすべて他人のせい。
「王太子クリストファー・ヴァンダル。《白妙》の群れにお前は要らない」
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