【異世界大量転生4】役に立たない淫売聖女(♂)は極寒の地に追放されました。※なお、英雄王弟は即追いかけて行った模様です。

とうや

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始まりと終わり

93 わたしの群れにお前は要らない(ノア視点)

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わたしの旦那様(元養父)は変態だった…。

く…!引いちゃうくらい変態なのに、その対象がわたしだってだけで許せる!ごまかしの笑顔かっこいい!好き!

だってアレクはずっと優しかった。告白されたときはちょっと困ったけど、でも花が咲いちゃうくらい嬉しかったんだ。


「ノアッ!こんな…こんな気持ちの悪い犯罪者に絆されたのか!」


あ、うん。でもまあやられた本人が許しちゃってるからいいと思う。


「私に捨てられたからといって…なんということだ!この男はな、変態の上に人殺しだぞ!?今だって屍を山と積み上げて!なんでもないようにお前を腕に抱いている」

「………」


今ならわかる。

死ね、とアレクを戦場から戦場へ送り出していたのは彼らだ。死ね、と誰かを呪い、呪詛を吐き続けないと生きていけない歪な国。

だから、アレクやみんなは《ちいさきもの》なのに、。《ちいさきもの》の倫理から外れてしまった。

そのみんなを、アレクを、が連れて行ってなにが悪い。


「……それで?」

「ノア…!!」

「それで?王太子殿下。貴方はなにが言いたいんです?アレクを捨てて、自分を選んで欲しいんですか?それで?わたしを得た後は?父様たちのお力なしにどうやって天上の世界へ行くつもりです?まさか、悪魔と罵り無礼を働いたにも関わらず父様にお縋りする気ですか?わたしと番った後はアレクのようにわたしを守ってくれますか?みんなのように人間ひとをやめてくださいますか? ーーー わたしが、人外の《オリジンばけもの》だと言うことを理解して頂いていますか?」

「………っ!」

「ばけものと、悠久の時を生きていく覚悟はあるのですか?」


まるでお話にならない。

今まで、王太子は、今度はわたしがなんとかしてあげると思ったんだろう。

なんの覚悟もない子供。決断すらできない。失敗はすべて他人のせい。






「王太子クリストファー・ヴァンダル。《白妙わたし》の群れハーレムは要らない」






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