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始まりと終わり
82 拳(名も無き部隊長視点)
しおりを挟むおかしい。このような事態は想定外だ。
砲弾の雨を降らせながら私は焦っていた。
オデッサ山に『聖女』と共に籠った兵はたったの14人。
『ヴァンダルの死神』率いる『黒狼隊』。精鋭の異能部隊で突出しているのは『死神アレクシス』と、元Sランク冒険者『鮮赤のデーヴィット』、死神の副官『夕影のセバス』の3名。この3名さえ抑えれば数の暴力で押し潰せるはずだった。
上層部のオーダーは『聖女との交渉の場を設けること』。
先ほどから司令部からの通信は途絶えている。電波妨害ならいい。最悪は……。
「余所見とか余裕なの?」
「……っ!!」
有り得ない角度から男が突進してくる。とっさに防いだ自動小銃が砕け散った。
「……は………?」
有り得ない。こんなこと有り得ない。
男は拳で鉄の塊を砕いたのだ。
「……ああ、この手?コレね、義手なんだ。売られた娼館で無茶苦茶されてね?拾われた時には右手腐っててさ。手術で切断したとこに、デーヴィットが死蔵してたダンジョンボスの戦利品くっつけたらうっかり適合しちゃってね。まあ痛ってーのなんのでのたうち回ったんだけど……あ、うん、あんたにとってはどうでもいいね?だって……」
男が笑顔で拳を振りかぶる。
「だって、さよならだもんな」
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