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楽園と崩壊と
75 さあ、遊ぼうか(《桜座》視点)
しおりを挟む「わっるい男だなあお前も」
俺の持ち込んだ酒をちびりちびりやりながら《奈落》が笑った。
「あいつらマジでこの山 攻略できると思ってんぞ?何人に分体植え付けたんだ」
「ええ~?いいじゃん。どうせ閉じる世界なんだし。《久遠》も好きにして良いって言ったし、《白妙》の話したら涼音なんか「じゃあ領地を分けよっか」って乗り気だし。あいつ絶対増えまくった領地回してくの面倒になったんだぜ?……ま、俺としては、ほんとに《白妙》がハーレムを持てるのか試す意味もあるんだよ」
オリジンのハーレムの中心に居るために必要なのは力や知力、ましてや繁殖力なんかじゃない。そんなのハーレムの嫁たちにやらせりゃいいんだ。実際、俺のハーレムはオリジン時代からほぼ《常盤》が回している。
ハーレムの『雄』に求められるのはひとつだけ。
大切なものの為に、何をどこまで切り捨てられるのか。
その判断が即座にできない奴にはハーレムは持てない。
いくら『雄』や嫁たちに力があっても、芯がふにゃふにゃだとハーレムは有事の際に秒で瓦解する。
「え…意外とお前って考えてる?」
「失礼な!みんなのアイドル《桜座》くんはいつだって考えてます!」
「あっ、はい」
「その生温い眼差しやめろ」
「はいはい。まー、あれか。お前、遊ぶのには全力だもんなあ」
「そーゆーこと!踏ん反り返って偉そうに余裕ぶちかましてる奴を泣かせるのって楽しいだろ?」
「うっわ…!最悪!」
「その最悪の奴の遊びに全力で乗っかろうとしてるお前はなんなんだwww」
「……この世界の奴らがもう少しまともだったら俺も止めたんだろうけどなあ…」
「ねっ?」
「可愛く言うなキメェ」
「「さあ、遊ぼうか」」
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