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楽園と崩壊と
68 何故わたくしがこんな目に(ドロシー視点)
しおりを挟むわたくしはあのまま聖女教会で生活をしている。せざるを得なかった。公爵家も ーーー もう、ない。
クリストファー様に縋ろうと城を訪ねたが、門番に棒で殴られ、犬のように追い払われた。
わたくしは王太子クリストファーの婚約者であるというのに。
何故わたくしがこんな目に。
とぼとぼと聖女教会に戻ると、クリスはボロボロになったわたくしを優しく抱きしめた。
湯で体を清め、清潔な衣服を着せられた。小さなパンと、具の入ったスープを手渡される。
数日ぶりのまともな食事だった。
「ク…クリス……わたくし、……わた、くし………!」
「もう泣かないでくれドロシー。二人でここで生きていこう?俺はもう騎士じゃないし、お前もお嬢様じゃない。当然、仕事をしないと人間らしい食事もできない。けれど、俺はお前と生きたい」
「……っう…うぅ……うっ………っ……!」
「愛しているんだ、ドロシー」
わたくしは、教会で仕事をするようになった。
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