【異世界大量転生4】役に立たない淫売聖女(♂)は極寒の地に追放されました。※なお、英雄王弟は即追いかけて行った模様です。

とうや

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楽園と崩壊と

63 神殿にて(クリストファー視点)

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やっとで外出の許可を貰って訪れた女神教の総本山は荒れ果てていた。


誰もいない神殿。荒れ果てた回廊と庭。転がる痩せ細った死体。食べられる……いや、植物はすべて毟られ、枯れ果てていた。


ノア・ヴォルテッラ!これがお前の行動の結果だ!!


私たちに拾われた恩も忘れ、すべてを放棄したお前の罪だ!

このようなことになると、聖女であったお前ならわかっていただろう!?みんなみんな、お前が殺したのだ!!


『……あはっ…!すげえ被害者妄想!自分可哀想症候群かよ?』

「……っ…!黙れ!!」


耳元で幻聴がする。ああ、夢の中の声だ。あの悪魔の声だ。


『まだ親元にいないと死ぬような小さな子供を攫って、勝手に魔力を搾取して。虐めて、死ねと追い出して。挙句に罪を押し付ける。流石だね、裏世界の蛆虫ども。やっぱりお前たちは

「黙れ!!悪魔め!!お前が…!お前が仕組んだ!そうだ、ノア・ヴォルテッラはお前がここに送り込んだのだろう」

『うわあ…近年稀に見る屑だな!それも清々しくない方の!うん、やっぱ、もう少し。俺の中のレストが、お前が大嫌いだって言ってるよ。消滅したはずの人格にまで嫌われるって、お前、才能あるね?』



「だまれえええええええええええええええええ!!!」



ふうっと声が聞こえなくなった。





疲れて…いるの、だろうか………。





長い長い回廊を進む。









禁域の『真実の書』を見つけ、私は真実を知る。






ああ…。ああ、あああ……わたし、は…………私、たちは…………………。














「………だれ…?」
























そして……私は女神を見つけた。









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