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霊峰へ
26 《白妙》がいらっしゃった!(眷属《絶》視点)
しおりを挟むなんとも陰鬱で薄暗い世界だ。
うっかり転がり落ちた世界は、魔素が限りなく薄く術式を組むのも容易ではない。不完全で、ドロリとした空気の薄気味悪い世界。我同様転がり落ちた生物たちは、その劣悪な環境で攻撃性を増していた。なんとも度し難い。
我は魔素が比較的マシな山一帯に縄張りを築いた。そして、その山の中腹に屋敷を造る。
いつか、いと尊き御方々をお迎えするために。
この山は近い。あの御方の創った世界に。
だが、この裂け目に広がった滲みのような世界に尊き御方々がいらっしゃるものだろうか。現れては消える気配はどれもこれも不完全で、すぐにこの世界から去っていった。
もう諦めた。我はここで、ただのケモノとして死ぬのだと。
そんな時だ。《白妙》がいらっしゃったのは。
なんということだ!第二世代ではないか!しかも我の主人様の御子息様ではないか!!
我は直ぐに御挨拶に向かったが、周りを《ちいさきもの》がガッチリと固めており、《白妙》もすやすやと眠っていらっしゃったので諦めた。
次に話しかけようとしたらアイツが来た。なんということだ!オリジンの中でも最悪のハーレムに居たアイツではないか!!
しかもアイツは《白妙》に劣情を抱いている!交尾をしたがっている!ニオイで判る!ああ、最悪だ!!
ああ…主人様!《白妙》の尻は我が御守りします!しますが……その、…我ではアイツに敵いませぬ……御迎えを寄越して下さいませ………。
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