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北の地へ
17 ちょこれーと美味しい(ノア視点)
しおりを挟む「………は?【聖女】を騙った詐欺罪に姦通罪?何だそりゃ???」
アレクシス殿下は俺を膝に乗せたまま呆れたような声を上げた。
「うちのノアは誰がなんと言おうと聖女っていうか天使だし、不可侵領域の聖域だから婚約もしてないしさせないし、ましてや姦通罪が適用される婚姻も結んでない。ってか姦通罪ってうちの国の法律だけど、女性のみ適用のちょっとアレな感じだからって世界なんとか団体から猛抗議来てやめたんじゃなかったか?ノアが【聖女】だから?はー?先代正妃でも目の色だけ合わせた愛人が5~6人居て、俺が未だに誰の子だかわからんとか言われてるのに?今どきの貴族の女は若い愛人を持つのがステータスじゃないか。それが何で姦通罪?古い罪状引っ張ってきたなオイ?」(ワンブレス)
「言い過ぎw言い過ぎw殿下www」
「あん?ホントのことだろう」
「でもノア様天使は同意」
「そうだろうそうだろう!」
お行儀悪く固いパンを齧ってワインを飲み干す。
んんー…?終わった?終わったかな?もういい?
「おっと、ノア?どこに行くんだ?」
「えー…、えと、もう食事終わりましたよね?…ね?」
そろっと抜け出そうとしたのにガッチリホールドされた。
そう、なにも俺が望んで養父であるアレクシス殿下にお膝抱っこされてるわけじゃない。アレクシス殿下がそうでもしないと食事より俺の観察を優先してご飯を食べてくれなかったからだ。
「ノアが食べてる……可愛い…」とか言いながら俺の観察が始まった時の気持ちがわかってもらえるだろうか。セバス父さんが「食べろ」って凄んだって「失った11年分のノアを愛でる」とかわけのわかんないこと言い出した時の居た堪れなさがわかってもらえるだろうか!?
笑顔のデル姉さんが俺を抱き上げ、アレクシス殿下の膝の上に座らせて「こうやったら食べるんじゃない?」とか言ったときの生温かい雰囲気がわかってもらえるだろうか!!??
「ノアは軽すぎだ。報告で食事の量がここ1年減ったとは思っていたが減りすぎだ。ほら、あーん」
「むぁっ!?」
口の中に甘い何かを突っ込まれる。
「んー…むー………ん…(もぐもぐもぐもぐ)」
美味しい!!!え、なにこれ!?
「チョコレートだ。高級品だぞ?遠征の時に指揮官の机から奪ってき……うん、貰ってきた」
んんんん…あんまーい!蕩ける!すごいこれ!すごく甘くてちょっとだけ苦くて良い匂い!
「まだあるぞ?あーん」
「あー…」
恥ずかしくても良い!ちょこれーと美味しい!
「ヤダなにこれ尊い…!」
デル姉さん拝まないで!!(もぐもぐもぐもぐもぐもぐ)
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