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魔王様の愛情クッキング☆玉子粥編「口の中の唾が大洪水だああああ!!」
しおりを挟む「お前には美味いもん食った経験が圧倒的に足りてねえんだ!特に出汁!出汁が取れてねえ!」
豆腐と油揚げの味噌汁にダメ出し食らった。今日出した料理は不味くはないけど美味しくもない。塩っぱ酸っぱい味噌湯だった…。
「もー!俺は美味いもんが食いたいの!眷属が教えるのがNGなら俺が教える!」
そう言いながら陽咲はガッシュガッシュと鰹節の塊を箱に擦り付ける。鍋の中には水に浸かった昆布?えー……出汁って顆粒じゃないのー???
「忙しいなら顆粒ダシも良いけど、自分で出汁取った方が絶対美味い」
「そういうもん?」
「食えばわかる」
「全裸待機」
「脱ぐな」
「ハイ」
木箱の中から見慣れた削り節が出てきた。すげえ。こうやってカツオブシ(パック)って削るんだ。
昆布水を火にかけてー、あっ、すぐに出した。なんで?カツオブシ入れた!えっ…多くない!?こんなにカツオブシいるの!?で、なんかジャパーって濾して、絞って料理酒塩醤油砂糖……ん?スープ?良い匂いするう!
ぐつぐついってるスープに陽咲はいきなり生米を入れた。えっ!?ええ!?洗っただけで炊いてないよ!?えええええ……
「いいからステイ」
「わん」
……くっ!いいよいいよ。俺も散々マズメシ食わせちゃったから。何があっても完食してみせる!
水が少なくなってきた頃に米粒一粒出してみて、指で押しつぶす。あー、そっか。ああやって煮えてるかどうか見るんだ。ふむふむ!勉強になったぞ!玉子を溶いてグッツグツいってる鍋の中にトロリ。んで蓋。えっ、混ぜないの!?固まるよ?固まっちゃうよ!?
「良いからお椀と匙持って来い」
「イエッサー!」
蓋を開けて、よそってもらった初の旦那料理はお粥みたいなやつだった。うわああああ良い匂いいいいいい!カウンターチェアーに座ると、当然みたいに陽咲が膝に乗ってくる。あー、慣れたなあ陽咲。初々しいのも可愛かったけど、こうやってさらっとくっついてきてくれるのもすげえ嬉しいんだけど!?
「ほれ、あーん」
「あー…」
ふーふーしてくれる陽咲可愛すぎ優しいもうこれが旦那って宝くじ当選よりすごくね!?口に入れてもらったお粥っぽい何かは
「………~~~っ!!…めっちゃくっちゃ!うまああああああ!!」
「そうだろうそうだろう。これが出汁の力だ」
えええええええ!?美味しいよ!?めっちゃおいしい!!なにこれなにこれなにこれええええええ!!??口の中の唾が大洪水だああああ!!
「陽咲も食べる!?美味しい!めちゃくちゃ美味しい!!」
「ん」
俺もフーフーして陽咲の口に入れてあげたけど……
「……………だめだ。熱くてドロっとしてるだけで味も何もねえ…」
「えええええ……」
こんなに美味しいのにい……。邪神様の意地悪ぅ…。
「マジで!?お膝抱っこで食べてんの!?」
???!!!
「すげえ!ヒナが甘えてる!!レアだろレア!」
えっ…………誰???
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