32 / 95
羊に甘い魔王様ザマァ仕立て 4
しおりを挟むアマルテイアを虐げた……って、範囲広いなあ。直接やられたのは少数だけど、飯が不味かったり服を洗ってもらえなかったり無視されたり。それもアマルテイアの双子の兄アンドレアスの命令ってのが大きい。だって神事の時に襲撃されたんだ。多かれ少なかれほぼ全員関係者。まあそのへんは陽咲のことだ。調べてるんだろう。……ってことは。
「選ばないなら全員処分する」
あー……やっぱりぃ?
「えー…んじゃ、兄ちゃんはダメ。アマルテイアが避けまくってただけですげえ気にしてくれてたし」
「わかった。あとは?」
陽咲がなんかほっぺとか触ってイチャイチャしてくる。おかしい。ネクタイ締めてくれるだけで真っ赤になる陽咲なのにおかしい。これが『見せつけてやろうぜ?』ってやつ?後から我に返って悶絶するんだろうなあ…。
「えー…あとはぁ……」
「ひああああああああ!!!」
ふぉっ!!??
いきなりの奇声に体がびくってした。すげえ不機嫌そうに陽咲が声の主を見る。
「ピッ、ピッ……ピニャとカルヴァがいるううううう!!」
「「「?!」」」
はいい???
俺と陽咲を血走った目で見ながら、修道女の服を着た女の子が叫んだ。
「あああああああ!ありがとうございますありがとうございます神さま仏さま萌えの腐女神さまッ!!リアルカルヴァのお膝抱っこピニャとか萌え殺す気ですか尊いいいいああああああ!!もうお肉になって構いません私はこの一瞬の極楽のためにお肉になりましょうでもできればカルヴァにお料理されたいいいいいいいいいいいいいいんぎいいいいいいいいいい!!」
やばい。もはやなに言ってるかわかんない。飼い主のエプロン猫が慌てて押さえつけようとしてるけど叫ぶ叫ぶ。声うるせえ。でも……ピニャとカルヴァ?あれえ?
「……君も転生者か……!?」
兄ちゃんが呆然と呟く。んんんっ?『も』???
「…ピニャと、カルヴァ……」
陽咲も呟いた。
するりと俺の膝から降りて目の前まで歩いて行き、女の子を覗き込む。
「……なあ、お前、ピニャとカルヴァでどれが推し?」
「もちろんカルヴァですッッッ!!!あのピニャ一筋の腹黒さが堪りませんっ!!」
「俺もカルヴァ派だ。よし気に入った。お前は残そう」
えええええええええ…。
39
お気に入りに追加
433
あなたにおすすめの小説

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】

新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。
今世はメシウマ召喚獣
片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。
最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。
※女の子もゴリゴリ出てきます。
※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。
※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。
※なるべくさくさく更新したい。
【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」
洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。
子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。
人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。
「僕ね、セティのこと大好きだよ」
【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印)
【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ
【完結】2021/9/13
※2020/11/01 エブリスタ BLカテゴリー6位
※2021/09/09 エブリスタ、BLカテゴリー2位

【BL】こんな恋、したくなかった
のらねことすていぬ
BL
【貴族×貴族。明るい人気者×暗め引っ込み思案。】
人付き合いの苦手なルース(受け)は、貴族学校に居た頃からずっと人気者のギルバート(攻め)に恋をしていた。だけど彼はきらきらと輝く人気者で、この恋心はそっと己の中で葬り去るつもりだった。
ある日、彼が成り上がりの令嬢に恋をしていると聞く。苦しい気持ちを抑えつつ、二人の恋を応援しようとするルースだが……。
※ご都合主義、ハッピーエンド
【完結】第三王子は、自由に踊りたい。〜豹の獣人と、第一王子に言い寄られてますが、僕は一体どうすればいいでしょうか?〜
N2O
BL
気弱で不憫属性の第三王子が、二人の男から寵愛を受けるはなし。
表紙絵
⇨元素 様 X(@10loveeeyy)
※独自設定、ご都合主義です。
※ハーレム要素を予定しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる