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羊に甘い魔王様ザマァ仕立て 4
しおりを挟むアマルテイアを虐げた……って、範囲広いなあ。直接やられたのは少数だけど、飯が不味かったり服を洗ってもらえなかったり無視されたり。それもアマルテイアの双子の兄アンドレアスの命令ってのが大きい。だって神事の時に襲撃されたんだ。多かれ少なかれほぼ全員関係者。まあそのへんは陽咲のことだ。調べてるんだろう。……ってことは。
「選ばないなら全員処分する」
あー……やっぱりぃ?
「えー…んじゃ、兄ちゃんはダメ。アマルテイアが避けまくってただけですげえ気にしてくれてたし」
「わかった。あとは?」
陽咲がなんかほっぺとか触ってイチャイチャしてくる。おかしい。ネクタイ締めてくれるだけで真っ赤になる陽咲なのにおかしい。これが『見せつけてやろうぜ?』ってやつ?後から我に返って悶絶するんだろうなあ…。
「えー…あとはぁ……」
「ひああああああああ!!!」
ふぉっ!!??
いきなりの奇声に体がびくってした。すげえ不機嫌そうに陽咲が声の主を見る。
「ピッ、ピッ……ピニャとカルヴァがいるううううう!!」
「「「?!」」」
はいい???
俺と陽咲を血走った目で見ながら、修道女の服を着た女の子が叫んだ。
「あああああああ!ありがとうございますありがとうございます神さま仏さま萌えの腐女神さまッ!!リアルカルヴァのお膝抱っこピニャとか萌え殺す気ですか尊いいいいああああああ!!もうお肉になって構いません私はこの一瞬の極楽のためにお肉になりましょうでもできればカルヴァにお料理されたいいいいいいいいいいいいいいんぎいいいいいいいいいい!!」
やばい。もはやなに言ってるかわかんない。飼い主のエプロン猫が慌てて押さえつけようとしてるけど叫ぶ叫ぶ。声うるせえ。でも……ピニャとカルヴァ?あれえ?
「……君も転生者か……!?」
兄ちゃんが呆然と呟く。んんんっ?『も』???
「…ピニャと、カルヴァ……」
陽咲も呟いた。
するりと俺の膝から降りて目の前まで歩いて行き、女の子を覗き込む。
「……なあ、お前、ピニャとカルヴァでどれが推し?」
「もちろんカルヴァですッッッ!!!あのピニャ一筋の腹黒さが堪りませんっ!!」
「俺もカルヴァ派だ。よし気に入った。お前は残そう」
えええええええええ…。
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