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【眷属(狼)視点】
しおりを挟む陽咲様の眷属の第二世代には生殖能力がない。正確には性欲はあるが子孫は残せない。産み増やすことができないのに、戦闘の後などは耐え難いほど滾るのだ。
「…あっ、あんっ!あ!あ!すご…い!もっと……!」
組み敷いた穴が涎を垂らして快がる。よく鳴きよく締まる。行為にも慣れていて良い穴だ。襲撃の時から目を付けていた雄だった。競争率が高く、大枚叩いて競り落とした。身代金の受け渡しが終わるまでの期限付きだったが、その頃には壊れているだろう。問題ない。毎日摂取させる薬が効いているようだ。
穴に滾りをぶち撒けて、抜かずにもう一度……と腰を打ち付け始めたその時だ。
「こっの!!バカ息子オオオオオオオッ!!」
轟音と共にドアが蹴破られ、穴に入れたまま頬を打たれて吹っ飛んだ。
「なにやってんのよなにやってんのよなにやってんのよおおおっ!!バカあ!ママ恥ずかしいわッ」
我を産んだ母だった。えっ…え……えええ!?母よ、貴女は最近嫁いでいらっしゃった伴侶様のお世話で忙しいのでは!?っていうか息子が穴を使っている時に突撃するのは如何なものか!?
「パンツ穿きなさいッ!そしてソレ持って謁見の間に来なさいッ!!」
「ガルゥ…?(え…?)」
「ソレはねっ、奏様を虐めたゴミかもしれないの!今まで見たことがないくらい陽咲様がキレてるの!!……もしソレがそうだったとしたら………ママ、貴方を生かしておけないわ…」
後半、母は低く呟いた。……本気だ。筆頭眷属にかかれば我など瞬殺であろう。我は慌てて穴を布で包み、肩に担いで走り出した。
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