腐女神さまのいうとおり1〜亡国王子と死神辺境伯〜

とうや

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亡国王子、寿がれる2

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フィアツェンに手を引かれ、神殿を出るのかと思ったら何故かバルコニーみたいなとこに出た。そこから見えるのは人、人、人。ふぇぇ…めっちゃ人いるぅ~!アレスゲーテ中の人たちが集まったみたいに噴水のある広間に犇めいていた。

フィアツェンがいつもするように、ひょいと俺を抱き上げる。


「アレスゲーテの民よ、我が妻アールツナイは本日成人を迎えた!大変目出度く、喜ばしく、素晴らしいことだ!さあ、無礼講だ!飲んで食って楽しんでくれ!」


広場に集まったみんなが、わあっと声を上げた。


『さあ、お祝いよぉ!!喜びなさぁい!寿ぎなさぁい!わたくしの弟の民たち!この花の女神フロウラリアが祝福してあげるわぁ!』


広場の上空にキラッキラに輝く巨大な一花姉。空一面に色とりどりの花が現れて舞い落ちる。百花はみんなの頭に、肩に降り注いで、淡雪のように消えていく。とても幻想的だ。でもねえ……やりすぎじゃない、一花姉?

フィアツェンと一花姉の言葉が合図で、ジュワジュワとどこからともなく良い匂いが……。


「あー!海鮮!?イカ焼き!!」

「うむ。フロウラリア様に『盛大に祝いたい』と意見を伺ったところ、『祭り』が良いだろうと仰られてな」

「……!」


お祭り!おまつりだああああ!

ニコニコのフィアツェンが俺を床に降ろしてくれる。くっそ!サプライズ成功だよぉ!


「下に…!下に降りて良い!?」

「もちろんだ」

「ふわあああああああ!!」


走り出した俺を、双子が慌てて引き留める。


「あっ!お待ちくださいアールツナイ様!先にお着替えいたしましょう!」

「白い礼服にソースとか色々と付くと(主にマダムソワヨが)大変ですよ?」



ですよねー?



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