腐女神さまのいうとおり1〜亡国王子と死神辺境伯〜

とうや

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亡国王子、死神公主とランチする 3

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「はい、あーん」

「ん」


差し出したサンドイッチにフィアツェンが噛みつく。半分こより小さく一口サイズに切ってくれたそれは、ちゃんとどこを食べても美味しい具が入ってる。ちなみに俺たちがお昼ご飯を食べてる時は、ショコラーデはコウモリの姿で、ソファーで寛ぎながらチョコレート菓子を味わっている。朝食と夕食どきはちゃんと人間の姿なんだけどね?


「そういえば成人の儀だが。衣装の最終調整を、とマダムソワヨが言っていたぞ」

「ええ~…またお人形ごっこぉ…?」

「そう言ってやるな。マダムソワヨはお前を着飾るために何もかも捨てて移住してきたのだから」


むうう~…そうなんだよねぇ。マダムソワヨっていうのは世界的にも有名な西方諸国の服飾デザイナーさんで、なんか俺の服を作りたいって押しかけて……げふん。移住してきた女性だ。スケッチブックと筆記具、布見本だけを背負ってやってきて、「無給でいいんで是非とも服を作らせてください!」ってジャンピング土下座を披露してくれた。もちろん俺はドン引き通り越して怯えたんだけど。

そのデザインを一花姉がいたくお気に入ったようで移住決定。俺としてもピラピラしてない服はありがたい。

アレスゲーテで今年成人する子供は俺だけだから、地味ーにひっそり成人式して欲しかったんだけど……ねぇ?







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