腐女神さまのいうとおり1〜亡国王子と死神辺境伯〜

とうや

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亡国王子、チョコレートを作る 3

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キッチンに知らない人がいた。なんかキラキラしい、金髪碧眼クリクリ巻毛の、睫毛のすんごい子。気が強そうで半開きの目の、やたらとツヤツヤの唇で……えーと、あれだ。一花姉が言ってたアドニスとかジルベールとかいうやつ。

ジルベール(仮)は俺を見てたっぷり固まって、それから真っ赤になった。俯いてモジモジしてるんだけど、どういう状況!?


「……ああ、嵌まりましたね…」

「……耐性なしで正面からいきましたしね…」


気の毒そうに双子が呟くけど、どういうことぉ!?


「あっ…あのっ、そのっ……ぼ、僕は………!」

「二葉、此奴は侵入者ぞ。不法侵入というやつぞ。しかも公然猥褻罪と武士侮辱罪のおまけつきじゃ」

「ええ~…きみ、せんせいに、せくはらしたのぉ?」

「違いますっ!僕は糸目に興味ありません!!」


えええ~…どういうことぉ?


「……あー、アールツナイ様、こいつは俺の…んー、で、ちょっとしたトラブルで…」

「別れた情夫の痴情の縺れよ」

「師匠ォォォオオオオ!!」


あっ…(察し)

でもヴィドスさんの『元恋人』って……あれぇ?けっこう酷いことしてなかったぁ?


「此奴、この厨房で働きたいそうじゃ」

「ええ~…」


ヴィドスさんをちらっと見る。ああ…すっごく美味しくないもの舐めちゃった犬みたいな顔してるぅ。んー……んーと、ううーん………





「あっ、じゃあ、ぷりん、つくれます?」







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