腐女神さまのいうとおり1〜亡国王子と死神辺境伯〜

とうや

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亡国王子、1年を振り返る

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アレスゲーテに来て1年経ちました。テレレッテテテテー!アールツナイくん9歳!この1年でぐんぐん背も伸びたよ!栄養大事!…っていってもまだ9歳にしては小さいらしい。ええ~、アレスゲーテの子供が大きいんじゃないのお?

この1年で俺のキッチンはだいぶ変わった。

まず時間停止の魔法収納マジックチェストがついた。これはアレスゲーテのダンジョンからドロップする超レアレアアイテムらしい。それが全部で3つ、デデデン!と…。ええ…フィアツェンさん、どんだけ俺を溺愛してるのぉ…。

次にお約束の冷蔵庫。これは専属の鍛冶屋さんで作ってもらった。この鍛冶屋さん、潰れかけの工房をサクッとフィアツェンさんが従業員ごとお買い上げ。電子レンジは理論がわからないと首を傾げられたけど、冷凍庫付き冷蔵庫は氷の魔石でできちゃった。独立して税としてガッツリ物品を持って行かれなくなったアレスゲーテは魔石も豊富らしい。

お味噌とかお醤油を作ってた場所は手狭になってきたから、思い切って味噌醤油蔵を作ってもらった。ただ異世界産の麹の発酵物って、この世界にとってはどうなの?って思ってたら一花姉が祝福をしてくれた。この菌と発酵物たち、アレスゲーテの外に出ると毒になるんだって。……え?それって祝福じゃないよね?呪いだよね?

祝福を受けて、フィアツェンさんは俺の料理を少しずつ周知させた。

お出汁の概念。野菜の美味しい食べ方。お醤油やお味噌の使い方。今までは捨てるだけだった骨から出汁を取り、家畜の餌だった野菜の美味しさを知り、塩だけじゃない調味料は料理の幅をぐんと広げた。ウスターソース中濃ソースも作ったし、ケチャップとマヨネーズも作ったよ!……肉団子だけはわかってもらえなかったけど…。

キッチンスタッフも増えた。お店を乗っ取られちゃったヴィドスさんのご両親。もう引退しようとか言ってたんだけど、ヴィドスさんと同じように、ハンバーグで覚醒。


わー、こわ!ハンバーグっていけない成分入ってないよね!?








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