腐女神さまのいうとおり1〜亡国王子と死神辺境伯〜

とうや

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死神辺境伯、駆け抜ける

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「反逆罪ですわ反逆罪!そうよ!ワタクシを娶ることを拒否してそんな手足のない子供を妻にして独立するだなんて…!おかしいわ!その子は魔女よ!ワタクシのフィアツェンさまは魔女の魅了に罹っているわ!!魔女を捕らえなさいッ」

「「「「「はっ」」」」」


ピンクのお姉さんの号令で黄色と青のサーコートの兵隊さん達に囲まれた。えええ…俺たち3人なんだよ?ちょっと過剰なんじゃない!?


「愚か者が」


スパパパン!と首が飛んだ。えっ…ええ……何そのお豆腐切るような軽さ!?


「ひっ…ひ、怯むな!奴らは丸腰だ!」

「殺しなさい!フィアツェンさまが残ってれば良いわ!」

「………っ!やめよ!やめよ、やめよ!その子に当たる!その子は…っ、アールツナイは、ペルセポネの子じゃ!余の子かも知れぬのだぞ!?」

「「「「!?」」」」

「なんですって!?」


あっ、聞きたくなかった衝撃の事実に今まで傍観してたお妃様と思しき人が声を荒げた。不倫に隠し子発言だもんなあ。


「……つかまっていろアールツナイ」

「ぅあい」


左腕をフィアツェンさんの首に巻き付け(実際は巻き付くほど長くないんだけど)ギューッと体を密着させる。フッと視界がブレて、ゴシャッとかギャッて短い悲鳴が聞こえる。んんー…見ない、見ない!グロは見ないぞ!俺ってホラーもグロもスプラッターも無理だしっ!


明るいところまで出たら、フィアツェンさんが「ピューィイ」って大音量で口笛を吹いた。急激にかかる上方向のG。おっふ!気持ち悪い!酔う酔う!!


「……アールツナイ?アールツナイ!?」


そういや俺、絶叫系の乗り物もダメだった……(ぱたり)






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