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【兄視点】イッツ、ショータイム
しおりを挟む斬りかかってきた護衛の剣をアビスウィローが防ぐ。詠唱?そんなもんいるか。こいつはもう出てきたくて喰いたくてたまんないのをいつも押さえつけてたんだ。俺のリードが緩んだだけで獲物に飛びかかる狂犬だよ。植物だけどな。
「そこの白っぽいトンガリ耳以外は食っていいぞ?まあトンガリ耳も手足4本までなら許す」
「ヒィッ!?」
「恐るな!対植物魔法の魔石を 」
「おっせえよグズ」
護衛たちの絶叫が響く。尻から口まで串刺しだ。それでもまだ生かされてる。うーん、グロい。しばらく串料理作りたくねえ。
廓の中から遊女たちが、裏方の通行人たちも何だ何だと見物してやがる。これだけ騒いでんのにセルヴァンスどころか憲兵さえ来ねえって……。
「あー…俺、また嵌められた?」
可哀想にな王子サマ。アンタ生贄だよ。フォルカポッジョの女王サマも、うちのセルヴァンスも、戦争したくて堪らないらしい。
アビスウィローの葉の間からキュウキュウ鳴く何かが飛び出す。一見虫に見えるが……
「ああ、なんだ。お前、ママになってたのか。じゃあ腹減ってたなあ?ごめんなあ?串刺しのは全部食っていいからな」
アビスウィローが嬉しそうに葉を揺らす。可愛い奴め。
アビスウィローの子供達も一斉に護衛たちだった肉に群がる。断末魔が木霊する。たんとお食べ。大きくなあれ。
目の前で喰われていく護衛たちを見て、王子サマが漏らした。きったねえ。エルドラドの住人たちは目は逸らすけど、こんなのは普通だからな?エリザベスに至っては「あら、久々のショータイムねえ」とか笑ってるし。
「………ねえ、なんの騒ぎなの、これ?」
ちょ……
一番来て欲しくねえタイミングで魔王サマが来やがった……。
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