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始まり

マッピング

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「いや、これは...」

どうしよう、確かにこの格好で魔物の出る森にいるのは自殺行為だよなぁ

どう説明すればいいかな...

「もしかして貴族のやつか?格好からして庶民じゃなさそうだけど」

あっ、そっち路線っすか?
前世バリバリ庶民で社畜してましたけど

「えっと気づいたらこの森にいて家族の事とか何も思い出せなくて...」

記憶喪失ってことにしとけば都合いいよね、多分。

「記憶ねぇのか、そりゃあ災難だったな」

2人はなんかこれ以上聞いちゃいけないみたいなシリアスな雰囲気漂う感じになった。

あれ?なんかめっちゃ可哀想な子みたいになっちゃった?

「とにかく街に行こうと思ってて」

「あぁ、俺らで良ければ案内するぜ」
よっしゃ、案内人げっと!

「そういや名前言ってなかったな俺がダリルでこっちが...」

「セシルです」
狐の獣人がダリルで犬の獣人がセシルか。

「俺はユータです よろしくお願いします」
俺がコミュ障特有のぎこちない感じの挨拶をするとセシルさんが少し笑いながら内緒話をするように耳元でこう言った。

「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ、ダリル顔は怖いけど優しいから」

「おいっ!聞こえてんだよ!」
まさにテンプレと言わんばかりにダリルさんが突っ込んだ。

「そんなに怒らないで下さいよー」

「別に怒ってねぇよ!」
怒ってないと言いつつ眉間に皺を寄せるダリルさんは多分イライラしているのだろう、いいコンビなのか?

「そういえば」

「あっ?」
あに濁点がつきそうなダリルさんに苦笑いしながらセシルさんを見るとちょっと真剣な顔をしていた。

「さっきの戦闘で魔法地図がロストしたからフユーゲルまでの道が」

「そういやそうだったな」

詳しく聞いたところ魔法地図と呼ばれるまぁ、前世で言うことろのナビ的な冒険者必須アイテムが先ほどの戦闘で破壊されてしまったようで、一番近いフユーゲルって街に行くのが困難かもって話らしい。

これは俺のマッピングが役立つ時か!

先ほど使ったマッピングを開くとちょろっと街らしきものが見えた。

「ここから南西に真っ直ぐ行くとフユーゲルみたいですよ?多分大体1kmくらいですかね?」

俺がそう言って2人を見ると目をぱちくりしていた。

「お前まさかマッピングスキル持ってるのか?」

「確かにそれだったら私達の所にすぐ助けに来られたのにも納得がいきますね...」

「マッピングスキルって有名なスキル何ですか?」

「有名も何もAランクスキルだし、何より冒険者がもっとも欲しいとしてるスキルだぞ!」

さすが転生スキルもチートですね。
確かに敵も味方も表示されるとか冒険者としては喉から手が出る程欲しいってやつなのかな?

「まぁ、とりあえず早く街行きましょ」
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