3 / 6
こたえ探し
しおりを挟む
自慢じゃないが、私は友達がたくさんいる。
いる。いるが、誰がこんな込み入った話を相談できるだろう。いや、はじめからできないに決まっている。
もはや相談相手は弟しかいまい。
こうして、私はこうなった経緯?(経緯も何もないと思うのだが、)を一応話して、どう対応すれば良いのかわからないので、相談に乗ってもらうことにした。
弟と恋バナ(?)する日が来ようとは思っていなかったために、なんだか恥ずかしい。
そんな、恥じらいを持ちつつ相談した結果ーー弟に両断された。
「え?告白された?断ればいいじゃん」
弟よ、はっきりしすぎだぞ。
「だってさ。相手は姉さんのこと男だと思っているんでしょう?」
「た、多分」
「なら尚更だよ。相手には申し訳ないけど、今の貴族社会を考えれば、姉さんは99%政略結婚する。相手が姉さんのことを女性だと気付いて求婚したら事態は変わるかもしれないけど、それはあり得ないことだし。そもそもあの学校、男子校だし…」
そうなのだ。
あの学校は通信制の男子校で、女子は一人もいない(私を除いて)。しかも入学を許されているのはその生徒がそれなりの爵位を持つ者である、またはその者に扶養・後ろ盾としてついてもらっている生徒。それに加えてプライバシー保護法を忠実に守っているから、引きこもり弟にとっても家族にとっても都合が良かったのだ。そして、テストや結果発表などの登校は基本安息日なので、全日制の学校に通う私にとっても都合が良かったわけで…。
「姉さん、別にその人のこと好きじゃないんでしょ?」
そもそも論で言えば、そうだ。
好きというより、競って勝ちたい…みたいな?
「気持ちが向いてないなら断っても別に問題ないじゃん」
「でも、断ったら断ったで居心地悪いよ。…あ、そっか。また入れ替わってリオンに学校に行って貰えばいいんだ!」
「えっ!待ってよ姉さん」
「そうすれば元どおりだし、私も奴からおさらばできるし、リオンはリオンで対人恐怖の練習の成果を発揮できるし、いいこと尽くめだ!よし、そうしよう!リオン。ありがとう。最後に次学校行って終わりにして来る!」
「姉さん~~~」
そうして次の登校日が来た。
いる。いるが、誰がこんな込み入った話を相談できるだろう。いや、はじめからできないに決まっている。
もはや相談相手は弟しかいまい。
こうして、私はこうなった経緯?(経緯も何もないと思うのだが、)を一応話して、どう対応すれば良いのかわからないので、相談に乗ってもらうことにした。
弟と恋バナ(?)する日が来ようとは思っていなかったために、なんだか恥ずかしい。
そんな、恥じらいを持ちつつ相談した結果ーー弟に両断された。
「え?告白された?断ればいいじゃん」
弟よ、はっきりしすぎだぞ。
「だってさ。相手は姉さんのこと男だと思っているんでしょう?」
「た、多分」
「なら尚更だよ。相手には申し訳ないけど、今の貴族社会を考えれば、姉さんは99%政略結婚する。相手が姉さんのことを女性だと気付いて求婚したら事態は変わるかもしれないけど、それはあり得ないことだし。そもそもあの学校、男子校だし…」
そうなのだ。
あの学校は通信制の男子校で、女子は一人もいない(私を除いて)。しかも入学を許されているのはその生徒がそれなりの爵位を持つ者である、またはその者に扶養・後ろ盾としてついてもらっている生徒。それに加えてプライバシー保護法を忠実に守っているから、引きこもり弟にとっても家族にとっても都合が良かったのだ。そして、テストや結果発表などの登校は基本安息日なので、全日制の学校に通う私にとっても都合が良かったわけで…。
「姉さん、別にその人のこと好きじゃないんでしょ?」
そもそも論で言えば、そうだ。
好きというより、競って勝ちたい…みたいな?
「気持ちが向いてないなら断っても別に問題ないじゃん」
「でも、断ったら断ったで居心地悪いよ。…あ、そっか。また入れ替わってリオンに学校に行って貰えばいいんだ!」
「えっ!待ってよ姉さん」
「そうすれば元どおりだし、私も奴からおさらばできるし、リオンはリオンで対人恐怖の練習の成果を発揮できるし、いいこと尽くめだ!よし、そうしよう!リオン。ありがとう。最後に次学校行って終わりにして来る!」
「姉さん~~~」
そうして次の登校日が来た。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
先生!放課後の隣の教室から女子の喘ぎ声が聴こえました…
ヘロディア
恋愛
居残りを余儀なくされた高校生の主人公。
しかし、隣の部屋からかすかに女子の喘ぎ声が聴こえてくるのであった。
気になって覗いてみた主人公は、衝撃的な光景を目の当たりにする…
優しい微笑をください~上司の誤解をとく方法
栗原さとみ
恋愛
仕事のできる上司に、誤解され嫌われている私。どうやら会長の愛人でコネ入社だと思われているらしい…。その上浮気っぽいと思われているようで。上司はイケメンだし、仕事ぶりは素敵過ぎて、片想いを拗らせていくばかり。甘々オフィスラブ、王道のほっこり系恋愛話。
軽い気持ちで超絶美少年(ヤンデレ)に告白したら
夕立悠理
恋愛
容姿平凡、頭脳平凡、なリノアにはひとつだけ、普通とちがうところがある。
それは極度の面食いということ。
そんなリノアは冷徹と名高い公爵子息(イケメン)に嫁ぐことに。
「初夜放置? ぜーんぜん、問題ないわ!
だって旦那さまってば顔がいいもの!!!」
朝食をたまに一緒にとるだけで、満足だ。寝室別でも、他の女の香水の香りがしてもぜーんぜん平気。……なーんて、思っていたら、旦那さまの様子がおかしい?
「他の誰でもない君が! 僕がいいっていったんだ。……そうでしょ?」
あれ、旦那さまってば、どうして手錠をお持ちなのでしょうか?
それをわたしにつける??
じょ、冗談ですよね──!?!?
【完結】誰にも相手にされない壁の華、イケメン騎士にお持ち帰りされる。
三園 七詩
恋愛
独身の貴族が集められる、今で言う婚活パーティーそこに地味で地位も下のソフィアも参加することに…しかし誰にも話しかけらない壁の華とかしたソフィア。
それなのに気がつけば裸でベッドに寝ていた…隣にはイケメン騎士でパーティーの花形の男性が隣にいる。
頭を抱えるソフィアはその前の出来事を思い出した。
短編恋愛になってます。
王宮の片隅で、醜い王子と引きこもりライフ始めました(私にとってはイケメン)。
花野はる
恋愛
平凡で地味な暮らしをしている介護福祉士の鈴木美紅(20歳)は休日外出先で西洋風異世界へ転移した。
フィッティングルームから転移してしまったため、裸足だった美紅は、街中で親切そうなおばあさんに助けられる。しかしおばあさんの家でおじいさんに襲われそうになり、おばあさんに騙され王宮に売られてしまった。
王宮では乱暴な感じの宰相とゲスな王様にドン引き。
王妃様も優しそうなことを言っているが信用できない。
そんな中、奴隷同様な扱いで、誰もやりたがらない醜い第1王子の世話係をさせられる羽目に。
そして王宮の離れに連れて来られた。
そこにはコテージのような可愛らしい建物と専用の庭があり、美しい王子様がいた。
私はその専用スペースから出てはいけないと言われたが、元々仕事以外は引きこもりだったので、ゲスな人たちばかりの外よりここが断然良い!
そうして醜い王子と異世界からきた乙女の楽しい引きこもりライフが始まった。
ふたりのタイプが違う引きこもりが、一緒に暮らして傷を癒し、外に出て行く話にするつもりです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる