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この恋、諦めます。-猪突猛進ヒロインの場合- 2
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気づくと、目は見えず、視界は真っ白で覆われていた。触って確認してみると、どうやら包帯でぐるぐる巻きにされているようだ。
どうして…?
意識が戻ったことに気づいたのだろう。
近くに人が来て、安堵したような声色に、こちらも少し落ち着く。
「良かった。目が覚めたのね」
彼女から大体の話を聞くと、どうやらあの爆発事故は探していた第二理科室で起こったものだったらしい。
そして、女子生徒が行っていたのは惚れ薬の成分の抽出実験だったそう。それが、事故で別の薬品と惚れ薬が混ざり爆発に至ったという。現場近くに居合わせた私は、運悪く(?)惚れ薬を吸ってしまい、誰かを見て無差別に惚れないように目を包帯で巻いているのことだった。
解毒薬を飲み続ければ、数週間で治ると言われた。
ということは、お見合いはしばらく延期ね。
…いや、本当にイザラを諦めるのなら、今行った方が好都合。元々、お見合いで自分が使うための惚れ薬を作ってもらうために彼女を探していたのだから。
「……………よし、行こう」
「行くって、どこへ?」
「っ‼︎………い、家に帰るの……って、イザラ⁈」
気づいたら、包帯は外されていて、イザラの美しい顔が目の前にあった。
…マズイ‼︎‼︎
急激に心拍数が上がっていくのを感じた。
頬も熱くなってきて、遅いとは分かっていたが、私は咄嗟に顔を隠した。
「セレン…。もしかして、僕のこと嫌いになっちゃった…?」
「そんなことない!イザラはいつでも私の大事な友だちだよ!」
自分が使った言葉なのに、“友だち”に傷ついている自分がいた。
「そう…。友だちね…」
「イザラ…?…んぅっ」
一瞬だった。
イザラの顔が近くにあって、気づけば唇が温かいものに塞がれていた。
「…友だちなら、どうして教えてくれなかったの」
「何を…」
「お見合いのことだよ」
「なんで」
知ってるの…?
「ごめん。俺、セレンをお見合いに行かせるつもりないから」
「自分勝手なのはわかってる。…でも、俺はずっとセレンの傍に居たいし、なにより、君が好きなんだ」
イザラはそう言って、私を保健室から攫って行った。
私たちがその後どうなったのかは、読者のあなたのご想像にお任せする。
どうして…?
意識が戻ったことに気づいたのだろう。
近くに人が来て、安堵したような声色に、こちらも少し落ち着く。
「良かった。目が覚めたのね」
彼女から大体の話を聞くと、どうやらあの爆発事故は探していた第二理科室で起こったものだったらしい。
そして、女子生徒が行っていたのは惚れ薬の成分の抽出実験だったそう。それが、事故で別の薬品と惚れ薬が混ざり爆発に至ったという。現場近くに居合わせた私は、運悪く(?)惚れ薬を吸ってしまい、誰かを見て無差別に惚れないように目を包帯で巻いているのことだった。
解毒薬を飲み続ければ、数週間で治ると言われた。
ということは、お見合いはしばらく延期ね。
…いや、本当にイザラを諦めるのなら、今行った方が好都合。元々、お見合いで自分が使うための惚れ薬を作ってもらうために彼女を探していたのだから。
「……………よし、行こう」
「行くって、どこへ?」
「っ‼︎………い、家に帰るの……って、イザラ⁈」
気づいたら、包帯は外されていて、イザラの美しい顔が目の前にあった。
…マズイ‼︎‼︎
急激に心拍数が上がっていくのを感じた。
頬も熱くなってきて、遅いとは分かっていたが、私は咄嗟に顔を隠した。
「セレン…。もしかして、僕のこと嫌いになっちゃった…?」
「そんなことない!イザラはいつでも私の大事な友だちだよ!」
自分が使った言葉なのに、“友だち”に傷ついている自分がいた。
「そう…。友だちね…」
「イザラ…?…んぅっ」
一瞬だった。
イザラの顔が近くにあって、気づけば唇が温かいものに塞がれていた。
「…友だちなら、どうして教えてくれなかったの」
「何を…」
「お見合いのことだよ」
「なんで」
知ってるの…?
「ごめん。俺、セレンをお見合いに行かせるつもりないから」
「自分勝手なのはわかってる。…でも、俺はずっとセレンの傍に居たいし、なにより、君が好きなんだ」
イザラはそう言って、私を保健室から攫って行った。
私たちがその後どうなったのかは、読者のあなたのご想像にお任せする。
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