足跡

冬生まれ

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「やっぱり自分の足で歩けるっていいな!」「だよねぇ」「歳とると、足腰が弱くなってツライから嫌だ」

少年は履いてる赤いスニーカーを見ながら呟いた。

「……でもさ、歳とるぐらい長生き出来るんだもの。幸せな事だよ?」

その言葉にふとある事を思い出した。そういや昔、車椅子の友人がいた。彼は生まれつき体が弱かった。

『僕はそんなに長くは生きられないんだ』

それが口癖だった彼はいつも私を見て羨ましがっていた。

「いいなぁ…。僕も一度で良いから歩いてみたいなぁー」

私はそんな彼に励ましにと贈ったプレゼントがあった。

「じゃあ、いつか病気を克服して一緒に歩こう?」

彼はそのプレゼントを抱きしめながら頷いていた。ハッとベッドの上で目を覚ます。足跡は未だに私の隣にあった。私はその足跡に声を掛ける。

「もしかして、お前は……」
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