催眠術

冬生まれ

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〈次はどんな事をしようかなぁ……〉

思わずフフフと口に出して笑うと、周りで見ていたクラスメイトが、引き気味に僕を噂していた。

「ヤダ……笑ってるよアイツ、不気味~」
「気味悪い奴だよなぁ……ホント」
「キッモ!そして怖ッ」

そんな悪口は聞こえない振りをする。

暫く本を読んでいると、不意に背中を叩かれた。
ビクリと肩を跳ねさせ振り返ると、なんと背後には夕凪くんが立っていた。

「よぉ、朝比奈~!なぁに読んでんの?」
「ゆ、ゆ、ゆ、ゆ、夕凪くん!?」
「はよー。つか、ドモリ過ぎだろ!」

アハハと笑いながらまた背中を叩く彼。
僕は嬉しさと恥ずかしさで俯いて口を噤んだ。
昨日の今日で彼の顔が直視出来ない。
ましてやこんな近い距離なんて……抱き締めた彼の感触がまた蘇り、躰が震えて顔が紅くなる。
すると彼は、僕の手に持つ本を見て呟いた。

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