3 / 21
3
しおりを挟む
あれは、クラスに回ってきた挨拶運動での事だった。
その日はたまたま、僕ともう一人、クラスメイトの女子が日直で、挨拶運動係をすることとなった。
校門に立って、登校してくる生徒に挨拶をする中、同じ日直の女子だけならず、皆が係である僕を避けて通るという不思議な現象が起きた。
ひとり、そんな疎外感の中、挨拶していると彼だけが僕に話掛けてきた。
「よぉ、朝比奈!挨拶運動?はよ~」
「おっ、、おはよう御座いマス……」
手を振り、笑顔で挨拶してくる彼に、声が小さくなりながらも返すと、彼は茶化すように僕の背中を軽く叩いた。
「おいおい、声出てないぞ?しっかりやれよ挨拶運動係さん!」
「あ……はい」
じゃあなと、去り際にポンッと肩を叩いた彼は、それから挨拶運動していた係のひと一人一人に丁寧な挨拶をして、颯爽と立ち去る。
そんな彼の姿に、僕は一目で惚れてしまった。
同じ日直の女子と他の係の人も彼が去った後、密かに彼の噂をしていた。
女子は「格好いい」とか「イケメン」等の彼の容姿を絶賛する褒め言葉。
男子は「なんかスゲェ」とか「神対応」とか、彼のやり取りに対しての賞賛があげられた。
同じクラス以外にもそう言われる彼は、やはり凄いヒトなのだと、改めて実感した瞬間だった。
その日はたまたま、僕ともう一人、クラスメイトの女子が日直で、挨拶運動係をすることとなった。
校門に立って、登校してくる生徒に挨拶をする中、同じ日直の女子だけならず、皆が係である僕を避けて通るという不思議な現象が起きた。
ひとり、そんな疎外感の中、挨拶していると彼だけが僕に話掛けてきた。
「よぉ、朝比奈!挨拶運動?はよ~」
「おっ、、おはよう御座いマス……」
手を振り、笑顔で挨拶してくる彼に、声が小さくなりながらも返すと、彼は茶化すように僕の背中を軽く叩いた。
「おいおい、声出てないぞ?しっかりやれよ挨拶運動係さん!」
「あ……はい」
じゃあなと、去り際にポンッと肩を叩いた彼は、それから挨拶運動していた係のひと一人一人に丁寧な挨拶をして、颯爽と立ち去る。
そんな彼の姿に、僕は一目で惚れてしまった。
同じ日直の女子と他の係の人も彼が去った後、密かに彼の噂をしていた。
女子は「格好いい」とか「イケメン」等の彼の容姿を絶賛する褒め言葉。
男子は「なんかスゲェ」とか「神対応」とか、彼のやり取りに対しての賞賛があげられた。
同じクラス以外にもそう言われる彼は、やはり凄いヒトなのだと、改めて実感した瞬間だった。
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
黄色い水仙を君に贈る
えんがわ
BL
──────────
「ねぇ、別れよっか……俺たち……。」
「ああ、そうだな」
「っ……ばいばい……」
俺は……ただっ……
「うわああああああああ!」
君に愛して欲しかっただけなのに……
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。
白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。
最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。
(同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!)
(勘違いだよな? そうに決まってる!)
気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる