二人の夏

冬生まれ

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「次は俺も入れてやるッ!!」「させっか!」

ドリブルしながら再びゴールへと向かう俺に、易易と追い付いた友人は、またもや立ちはだかり邪魔をする。

「入れられるモンなら入れてみな?」

挑発してくる友人に立ち止まり、考えを巡らせていると、友人はすかさずボールに手を伸ばしてきた。咄嗟に身体を捻て避けようと考えたが、慌てたせいか、同時に足が縺れて友人諸共床に転倒した。

「うわっ!」「ちょっ…!!」

ボールがタンタンと離れていく音が聞こえてくる中で、重なるように倒れていた俺達は暫くそのまま動けずにいた。別に身体を痛めていたわけでも、疲れていたからでもない。

「……ッ」

俺の唇が友人の唇に……。

「ご、ごめんっ…!!」

すぐさま友人から離れて立ち上がろうとした時、手を伸ばしてきた友人が俺の腕を掴んた。

「あっ……」

そのまま腕を惹かれると、友人は俺の首へ腕を回し、視線を絡めながら唇が触れるか触れないかの処で告げる。

「なぁ…また、してもいい?」
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