2 / 5
2
しおりを挟む
暗い部屋でソファーに座り、テレビを見つめる男は画面に映る幸せそうな二人をぼんやりと眺めていた。大勢の仲間と家族に祝福され、ヴァージンロードを歩く二人の婚礼は、男の目には眩しく映る。
「はぁ……」
溜め息混じりに男が顔を手で覆うと、映像がプツリと途絶えた。
「可哀想だね」
その声に男は顔を上げると、男の隣には歳の離れた少年が膝を立てて座っていた。小学生くらいだろうか。少年を見つめた男が口を開く。
「何がだ……?」「言わなくても分かるでしょ?」
少年は何も映らないテレビを見つめたまま呟いた。
「オレの事かい?」
男が少年に訊ねると、少年は振り返り男を見つめる。
「それ、本気で言ってるの?」
ジトリと見つめる少年に、男は自身の髪をくしゃりと掻いた。少年は呆れた顔でテレビを指差す。
「あのヒト達だよ」
テレビには先程の婚礼が突然映り、また幸せそうな二人が現れた。男はその映像を見ながら少年へと訊ねた。
「何処が可哀想なんだ?あんなに幸せそうじゃないか……」
笑顔で映る花嫁を細めた瞳で見つめる男に、少年はムスッとしながら告げる。
「可哀想だよ。だってあのヒト達は分かっていないんだ」「何を?」
男が少年に訊ねると、少年は唇を釣り上げて呟いた。
「アンタを裏切った罰が下る事を……」
男が少年を見つめると、急に砂嵐に変わったテレビ画面にとある映像が映し出された。
「はぁ……」
溜め息混じりに男が顔を手で覆うと、映像がプツリと途絶えた。
「可哀想だね」
その声に男は顔を上げると、男の隣には歳の離れた少年が膝を立てて座っていた。小学生くらいだろうか。少年を見つめた男が口を開く。
「何がだ……?」「言わなくても分かるでしょ?」
少年は何も映らないテレビを見つめたまま呟いた。
「オレの事かい?」
男が少年に訊ねると、少年は振り返り男を見つめる。
「それ、本気で言ってるの?」
ジトリと見つめる少年に、男は自身の髪をくしゃりと掻いた。少年は呆れた顔でテレビを指差す。
「あのヒト達だよ」
テレビには先程の婚礼が突然映り、また幸せそうな二人が現れた。男はその映像を見ながら少年へと訊ねた。
「何処が可哀想なんだ?あんなに幸せそうじゃないか……」
笑顔で映る花嫁を細めた瞳で見つめる男に、少年はムスッとしながら告げる。
「可哀想だよ。だってあのヒト達は分かっていないんだ」「何を?」
男が少年に訊ねると、少年は唇を釣り上げて呟いた。
「アンタを裏切った罰が下る事を……」
男が少年を見つめると、急に砂嵐に変わったテレビ画面にとある映像が映し出された。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
美人に告白されたがまたいつもの嫌がらせかと思ったので適当にOKした
亜桜黄身
BL
俺の学校では俺に付き合ってほしいと言う罰ゲームが流行ってる。
カースト底辺の卑屈くんがカースト頂点の強気ド美人敬語攻めと付き合う話。
(悪役モブ♀が出てきます)
(他サイトに2021年〜掲載済)
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
可愛い男の子が実はタチだった件について。
桜子あんこ
BL
イケメンで女にモテる男、裕也(ゆうや)と可愛くて男にモテる、凛(りん)が付き合い始め、裕也は自分が抱く側かと思っていた。
可愛いS攻め×快楽に弱い男前受け
彼はオレを推しているらしい
まと
BL
クラスのイケメン男子が、なぜか平凡男子のオレに視線を向けてくる。
どうせ絶対に嫌われているのだと思っていたんだけど...?
きっかけは突然の雨。
ほのぼのした世界観が書きたくて。
4話で完結です(執筆済み)
需要がありそうでしたら続編も書いていこうかなと思っておいます(*^^*)
もし良ければコメントお待ちしております。
⚠️趣味で書いておりますので、誤字脱字のご報告や、世界観に対する批判コメントはご遠慮します。そういったコメントにはお返しできませんので宜しくお願いします。
君が好き過ぎてレイプした
眠りん
BL
ぼくは大柄で力は強いけれど、かなりの小心者です。好きな人に告白なんて絶対出来ません。
放課後の教室で……ぼくの好きな湊也君が一人、席に座って眠っていました。
これはチャンスです。
目隠しをして、体を押え付ければ小柄な湊也君は抵抗出来ません。
どうせ恋人同士になんてなれません。
この先の長い人生、君の隣にいられないのなら、たった一度少しの時間でいい。君とセックスがしたいのです。
それで君への恋心は忘れます。
でも、翌日湊也君がぼくを呼び出しました。犯人がぼくだとバレてしまったのでしょうか?
不安に思いましたが、そんな事はありませんでした。
「犯人が誰か分からないんだ。ねぇ、柚月。しばらく俺と一緒にいて。俺の事守ってよ」
ぼくはガタイが良いだけで弱い人間です。小心者だし、人を守るなんて出来ません。
その時、湊也君が衝撃発言をしました。
「柚月の事……本当はずっと好きだったから」
なんと告白されたのです。
ぼくと湊也君は両思いだったのです。
このままレイプ事件の事はなかった事にしたいと思います。
※誤字脱字があったらすみません
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる