暗い部屋

冬生まれ

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僕がまだ三歳の頃だ。

そんな夢をよく見ては、泣きながら目を覚ましていた。泣きじゃくる僕を母はいつもあやしながら、怖くないよと背中を擦ってくれた。僕自身その夢に対して怖いという感情は一切無かったけれど、母に背中を撫でて貰うと自然と涙は治まり落ち着きを取り戻した。僕を誰よりも愛してくれていた母の温もりが夢に出てくるあのヒトを思い出させたからかも知れない。

あのヒトもこんな風に僕を愛してくれていた。そして僕も……。

ただ、あのヒトが誰なのか。

ずっと分からないままでいる。
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