憧れ

冬生まれ

文字の大きさ
上 下
1 / 6

しおりを挟む


痛い…苦しい…
俺はどうなったんだ?確か水龍と戦っていて…
そうだ。水龍の最大火力の[龍の咆哮ドラゴンロア]をまともに食らったんだった。

「くっ…平気…ではないな。」

だんだんとぼんやりとした視界が晴れ、現状を確認する。
死んではいなかったがやはり被害は甚大だったようだ。
神狼の外套フェンリルコートのお陰で体の欠損はなかったが、それでも体の至る所の骨が折れてしまっている。

「ギュィィィィィィィィ!!」

それになにか水龍の様子がおかしい。
なにかに痛がっているようだ。
 
「なにに苦しんでいるんだ…?」

俺はとりあえず体を癒すためにベルを呼び出し治癒術で回復してもらう。

召喚サモン、ベル、怪我を治してくれ」

「プルァ…」

ベルが大丈夫?と俺の体を治癒術で癒してくれる。
おかげで大きな怪我のとりあえずの処置は大丈夫だろう。

「ベル、ありがとう。危ないからとりあえず戻ってて。」

「プルル!」

俺はベルを撫でてもう一度[獣魔の部屋]に戻す。
俺の治癒が治ると同時に水龍もが終わったようだ。

「おいおい…まさか…」

俺は水龍の異変に気づき、即座に鑑定する。


[水龍アクボ]
LV.82

HP     SS
MP    S
攻撃力 SS
防御力 S
素早さ S

[スキル]
・牙術
・爪術
・翼術
・尾術
・魔力操作
・気配察知
・物理耐性
・魔法耐性
・水属性魔法の極意
・龍圧
・二重魔法
・硬化
・狂化



「は、ははっ…ここで進化ランクアップかよ…」

稀に魔物に起こる現象進化ランクアップ
これはゴブリンからホブゴブリンになるのとはわけが違う。
ゴブリンからホブゴブリンはただの成長だ。だが、今回の進化は存在そのものが上のものに進化ランクアップするのだ。
それによって水龍は[水龍アクボ]という名前持ちになってしまった。

以前 SSランク級魔物が現れた際はSSランク冒険者の1チームがなんとか撃退した。
俺はそれを知った時、なぜこの塔の最上階まで行けなかったのか。と疑問を抱いたが、王都へ召集されて続きが挑戦できなかった、他のダンジョンの攻略の途中、などと色々な理由があったそうだ。

「やるしかないか…上位召喚ハイサモンフェル!」

俺はフェルを呼び出しフェルを纏う。

「フェル、行くぞ!上位付与ハイエンチャント!」

以前のスキル進化によってMPも実質使い放題だ。
今回は出し惜しみせずに最初から全力フルでいく。

全二重上位付与フルダブルハイエンチャント!」

「ギュォオオォオ!!」

俺が付与をし、どんどんと強くなっているのがわかったのか水龍アクボが氷刃を大量に飛ばしてくる。
俺はそれを避け、避けきれないものは魔太刀一匹狼マベリックで切り、攻撃を凌ぐ。
俺に当たらなかった氷刃は岩をたやすく切り裂く威力だ。

「水属性の極意か…」

これは水属性に特大な威力と扱いやすさに補正がかかるスキルだ。
この攻撃を食らったらかなりまずい。

俺は水龍アクボの攻撃を避けながらさらに自分にバフをかける。

上位付与ハイエンチャント黒雷!」

俺は雷の上位である黒雷を体に纏いさらにステータスを上げていく。
黒雷の付与効果は攻撃力、素早さ上昇に特大補正だ。

一通りの付与が終わり俺は一気に攻撃に出る。
水龍アクボは急接近して来た俺に尾術で突き攻撃をしてくるがそれをいなし、斬りつける。

「く、うまいな…」

水龍アクボは俺が斬りつけたところをうまく硬化し、防御する。
俺は水龍アクボにさらなる攻撃を与えるために準備を始めた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

放課後の蜂蜜色

ひづき
BL
突然、目の前の唇に食らいつきたい衝動に駆られた。 俺もコイツも男なんだけど… 特別美人とかでもないんだけど… クラスメイトとキスする話。 無自覚系両片想い。 夜中のテンションで書きました。

ぼくの偶像 ColorS*

月見こだま
BL
―ー彼を誰よりも理解しているのは『ぼく』だ。 『ぼくの偶像 ソウルメイト』の後輩グループの話。 幼馴染に抱く強い執着。 ***更新再開しました。 2/16まで毎日公開予定組んでいます。

初恋はおしまい

佐治尚実
BL
高校生の朝好にとって卒業までの二年間は奇跡に満ちていた。クラスで目立たず、一人の時間を大事にする日々。そんな朝好に、クラスの頂点に君臨する修司の視線が絡んでくるのが不思議でならなかった。人気者の彼の一方的で執拗な気配に朝好の気持ちは高ぶり、ついには卒業式の日に修司を呼び止める所までいく。それも修司に無神経な言葉をぶつけられてショックを受ける。彼への思いを知った朝好は成人式で修司との再会を望んだ。 高校時代の初恋をこじらせた二人が、成人式で再会する話です。珍しく攻めがツンツンしています。 ※以前投稿した『初恋はおしまい』を大幅に加筆修正して再投稿しました。現在非公開の『初恋はおしまい』にお気に入りや♡をくださりありがとうございました!こちらを読んでいただけると幸いです。 今作は個人サイト、各投稿サイトにて掲載しています。

誘い受け

わこ
BL
ノン気の男とヤリ手男娼の話。 かつて個人サイトにてお題小説として書いていたものです。 お題はTOY様(toy.ohuda.com/)より、表紙画像はぱくたそ様(www.pakutaso.com)よりお借りしています。

僕の穴があるから入りましょう!!

ミクリ21
BL
穴があったら入りたいって言葉から始まる。

その関係はこれからのもの

雨水林檎
BL
年下わんこ系教師×三十代バツイチ教師のBL小説。 仕事中毒の体調不良、そんな姿を見たら感情があふれてしまってしょうがない。 ※体調不良描写があります。

素直じゃない人

うりぼう
BL
平社員×会長の孫 社会人同士 年下攻め ある日突然異動を命じられた昭仁。 異動先は社内でも特に厳しいと言われている会長の孫である千草の補佐。 厳しいだけならまだしも、千草には『男が好き』という噂があり、次の犠牲者の昭仁も好奇の目で見られるようになる。 しかし一緒に働いてみると噂とは違う千草に昭仁は戸惑うばかり。 そんなある日、うっかりあられもない姿を千草に見られてしまった事から二人の関係が始まり…… というMLものです。 えろは少なめ。

十七歳の心模様

須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない… ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん 柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、 葵は初めての恋に溺れていた。 付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。 告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、 その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。 ※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。

処理中です...