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とある夜のこと。
「叔父さん…、いいでしょ?」「おっ、おい…」
俺は絶句した。何故なら、今まで男手一つで育ててきた姪の千百合【ちゆり】がいきなり俺を誘って来たからだ。無論、その様な“フシダラ”な女に育てた覚えは微塵も無い。
両親を早くに亡くした千百合に小さい頃からずっと父親の様に接し、ガラじゃないが実の娘の様に可愛がって来た。
それなのに……どうしてこうなった!!
「叔父さん…駄目、ですか?」「だっ、駄目も何も…ンな事出来るかっ!!」「…どうして?」
谷間を強調させる寝間着にキョトンとした顔で俺を見る千百合。俺は自分を落ち着かせながら告げた。
「あのなぁ、俺達は仮にも血縁なんだぞっ!?それにお前もまだ学生だっ!俺が手を出したら犯罪になっちまうだろうがっ…!!」「犯罪…?」「そうだ!!」
暫くは考える素振りを見せた千百合は、そっと顔を俯かせて落ち込んでいた。
「しょうがねぇだろ……」「…はい。犯罪になるのなら仕方ありませんね」
落ち込む千百合が少しばかり可哀想ではあったが、これには俺もどうする事も出来なかった。未成年に───それも実の姪に手を出して捕まるなんて事は絶対あってはならないのだ。
「ほら、千百合。落ち込んでないで明日も早いからもう寝ろ!」「はい……」
大人しく言うことを聞く千百合に安堵していると、不意に千百合が俺を呼んだ。
「…叔父さん」「んっ?なんだ」
見ると、切なげに微笑む千百合が少し寂しそうに呟いた。
「私、一度でいいから叔父さんと添い寝したかったなぁ…おやすみなさい」「おう、おやすみ……」
千百合が部屋を出ていった後、俺は独り頭を抱えて項垂れた。
「はぁぁ……そっちかぁぁぁ~~!!」
てっきり千百合に迫られた事が、良からぬ方だと思い込んでいた自分を殴りたい。
フシダラだったのは、どうやら俺の方らしい……。
End
「叔父さん…、いいでしょ?」「おっ、おい…」
俺は絶句した。何故なら、今まで男手一つで育ててきた姪の千百合【ちゆり】がいきなり俺を誘って来たからだ。無論、その様な“フシダラ”な女に育てた覚えは微塵も無い。
両親を早くに亡くした千百合に小さい頃からずっと父親の様に接し、ガラじゃないが実の娘の様に可愛がって来た。
それなのに……どうしてこうなった!!
「叔父さん…駄目、ですか?」「だっ、駄目も何も…ンな事出来るかっ!!」「…どうして?」
谷間を強調させる寝間着にキョトンとした顔で俺を見る千百合。俺は自分を落ち着かせながら告げた。
「あのなぁ、俺達は仮にも血縁なんだぞっ!?それにお前もまだ学生だっ!俺が手を出したら犯罪になっちまうだろうがっ…!!」「犯罪…?」「そうだ!!」
暫くは考える素振りを見せた千百合は、そっと顔を俯かせて落ち込んでいた。
「しょうがねぇだろ……」「…はい。犯罪になるのなら仕方ありませんね」
落ち込む千百合が少しばかり可哀想ではあったが、これには俺もどうする事も出来なかった。未成年に───それも実の姪に手を出して捕まるなんて事は絶対あってはならないのだ。
「ほら、千百合。落ち込んでないで明日も早いからもう寝ろ!」「はい……」
大人しく言うことを聞く千百合に安堵していると、不意に千百合が俺を呼んだ。
「…叔父さん」「んっ?なんだ」
見ると、切なげに微笑む千百合が少し寂しそうに呟いた。
「私、一度でいいから叔父さんと添い寝したかったなぁ…おやすみなさい」「おう、おやすみ……」
千百合が部屋を出ていった後、俺は独り頭を抱えて項垂れた。
「はぁぁ……そっちかぁぁぁ~~!!」
てっきり千百合に迫られた事が、良からぬ方だと思い込んでいた自分を殴りたい。
フシダラだったのは、どうやら俺の方らしい……。
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