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しおりを挟む呆れながら横目で俺を見る彼は、いじっていたスマホに視線を移した。
そんな光景を何の気なしに見つめていると、彼がまた口を開く。
「視線がウゼェ…いつまで見てんだよ」
ぼやく彼にすぐさま視線を逸らす。
「別に…そこまで見てないし」「嘘つけ」
否定されておもわず言い返そうと口を開いた瞬間、何故か夢の情景がふと頭を過った。
すると、ズキリと頭が痛み出した。
「ッ……」「どうした?」
頭を手で押さえる俺を訝しげに見つめる彼は何を思ったのか、唐突に右手で俺の頭をゆっくり引き寄せると彼の右肩へ乗せたのだ。
(………はっ?)
彼の意外な行動に頭の痛みを一瞬忘れた。
呆然と彼を見ると、俺の頭を抱えたまま彼が静かに告げた。
「肩貸してやる。お前は黙って寝てろ…」
彼は俺の頭をクシャリと撫でた。
俺は彼のこの手を知っている……。
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