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しおりを挟む────そんな彼が今じゃこの有様だ。
横目で彼の様子を伺うとまた目が合った。
今度は見てんじゃねーぞと言いたげに舌打ちされる。
仕方なく電車に揺られながら、その場でただひたすら目的地の駅に着くのを待つ。
彼から離れようにもぎゅうぎゅうに詰まった車内では身動きが取りにくく周りにも迷惑が掛かる為、移動を断念した。
イライラしていた彼もずっとスマホをいじりながらそこにいた。
盗み見たスマホの画面にはデジタル表記で7:55と記されている。
目的地まではあと5分の辛抱だった。
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