42 / 42
沈黙の王国
⑦
しおりを挟む
あの日、私の人生は絶望に変わった。
最愛の姉を民衆に殺され、失くなった筈の忌まわしきあのチカラがまた蘇ってしまった。
我を忘れて泣き叫び、恨みを吐き出した私の周りは、気付くと屍だらけになっている。
生き残ったのは私だけ。
御抱のメイドも、姉の婚約者【フィアンセ】も皆死体と成り果てていた。
「あ……お姉、様……?」
その中から姉の遺体を探す。
「お姉様、何処にいるの……?」
いくら探しても姉の遺体は見当たらず。
「もしかして、生きているの?」
私は辺りを一周見渡し、ゆっくりと唇を釣り上げた。
「フッ……フフフッ」
笑いながらそこらの死体を蹴り散らし、私は何処かで生きているであろう最愛の姉を求めて突き進む。
「待っててね、お姉様!!今迎えに行きますから!!また二人で暮らしましょう!?今度はもう誰にも奪わせはしないわ……!!絶対にッッ!!」
例え誰かが邪魔しようとも、私のこのチカラで全て消し去ってみせるから。
キャハハハと無邪気に嗤う少女に、もう昔の儚げな面影は無く、邪悪な顔つきで最愛の姉がいる町へと歩き出した。
最愛の姉を民衆に殺され、失くなった筈の忌まわしきあのチカラがまた蘇ってしまった。
我を忘れて泣き叫び、恨みを吐き出した私の周りは、気付くと屍だらけになっている。
生き残ったのは私だけ。
御抱のメイドも、姉の婚約者【フィアンセ】も皆死体と成り果てていた。
「あ……お姉、様……?」
その中から姉の遺体を探す。
「お姉様、何処にいるの……?」
いくら探しても姉の遺体は見当たらず。
「もしかして、生きているの?」
私は辺りを一周見渡し、ゆっくりと唇を釣り上げた。
「フッ……フフフッ」
笑いながらそこらの死体を蹴り散らし、私は何処かで生きているであろう最愛の姉を求めて突き進む。
「待っててね、お姉様!!今迎えに行きますから!!また二人で暮らしましょう!?今度はもう誰にも奪わせはしないわ……!!絶対にッッ!!」
例え誰かが邪魔しようとも、私のこのチカラで全て消し去ってみせるから。
キャハハハと無邪気に嗤う少女に、もう昔の儚げな面影は無く、邪悪な顔つきで最愛の姉がいる町へと歩き出した。
0
お気に入りに追加
1
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

男性向け(女声)シチュエーションボイス台本
しましまのしっぽ
恋愛
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本です。
関西弁彼女の台本を標準語に変えたものもあります。ご了承ください
ご自由にお使いください。
イラストはノーコピーライトガールさんからお借りしました
赤髪騎士と同僚侍女のほのぼの婚約話(番外編あり)
しろねこ。
恋愛
赤髪の騎士ルドは久々の休日に母孝行として実家を訪れていた。
良い年頃なのに浮いた話だし一つ持ってこない息子に母は心配が止まらない。
人当たりも良く、ルックスも良く、給料も悪くないはずなのに、えっ?何で彼女出来ないわけ?
時として母心は息子を追い詰めるものなのは、どの世でも変わらない。
ルドの想い人は主君の屋敷で一緒に働いているお喋り侍女。
気が強く、お話大好き、時には乱暴な一面すら好ましく思う程惚れている。
一緒にいる時間が長いと好意も生まれやすいよね、というところからの職場内恋愛のお話です。
他作品で出ているサブキャラのお話。
こんな関係性があったのね、くらいのゆるい気持ちでお読み下さい。
このお話だけでも読めますが、他の作品も読むともっと楽しいかも(*´ω`*)?
完全自己満、ハピエン、ご都合主義の作者による作品です。
※小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿してます!

今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる