クライウタ

冬生まれ

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沈黙の王国

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あの日、私の人生は絶望に変わった。

最愛の姉を民衆に殺され、失くなった筈の忌まわしきあのチカラがまた蘇ってしまった。

我を忘れて泣き叫び、恨みを吐き出した私の周りは、気付くと屍だらけになっている。

生き残ったのは私だけ。

御抱のメイドも、姉の婚約者【フィアンセ】も皆死体と成り果てていた。

「あ……お姉、様……?」

その中から姉の遺体を探す。

「お姉様、何処にいるの……?」

いくら探しても姉の遺体は見当たらず。

「もしかして、生きているの?」

私は辺りを一周見渡し、ゆっくりと唇を釣り上げた。

「フッ……フフフッ」

笑いながらそこらの死体を蹴り散らし、私は何処かで生きているであろう最愛の姉を求めて突き進む。

「待っててね、お姉様!!今迎えに行きますから!!また二人で暮らしましょう!?今度はもう誰にも奪わせはしないわ……!!絶対にッッ!!」

例え誰かが邪魔しようとも、私のこのチカラで全て消し去ってみせるから。

キャハハハと無邪気に嗤う少女に、もう昔の儚げな面影は無く、邪悪な顔つきで最愛の姉がいる町へと歩き出した。
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