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沈黙の王国
③
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その身に不思議なチカラを宿していたソレイユは、どんな病や傷をも治す“生”のチカラを持っていた。
彼女は、そのチカラを民衆の為に使い、人々から敬い慕われていた。
一方、少女には同じくチカラを持つ妹君、セレーネ・シャインがいた。
月明かりの様な白銀の長い髪に、コバルトブルーの瞳を持つ儚げな少女セレーネは、ソレイユとは違い、どんな命でも奪い取る“死”のチカラを持っていた。
「お姉様……私、もう嫌よ。私が触れるもの全て私の手からいなくなってしまう」
自身のチカラに苦しんでいる事を知ったソレイユは、セレーネを助けるべく魔術師に頼み、自身のチカラを入れ替える事にした。
「大丈夫よ、セレーネ。私が代わりにそのチカラを貰ってあげるわ」
ソレイユは、セレーネに自身の生のチカラを、逆に自身は死のチカラを手にした。
それからというもの、セレーネは王女となり民衆の為にチカラを使っていた。
ソレイユは、明るくなったセレーネの姿を見つめ、心の底から喜んでいた。
そんなある日の事だった。
ソレイユが魔術師を城に呼んでいたという噂が広まると、民衆達が騒ぎ立てた。
天性のチカラでは無く、自らが望み、チカラを修得する魔術師は、この国では忌み嫌われる存在だった。
事の発端は、魔術師達による国家反逆及び、人的災害の事件が引き金となっていた。
後に隣国によるクーデターだった事が判明したのだが、以来、この国の魔術師達は罪無き迫害を受けてきた。
裏で魔術師が国を守っていた事も知らずに……。
そんな奴を城に招き入れたとなれば、例え王家の者であろうと赦されはしなかった。
『──────よって、ソレイユ・シャインを国家反逆罪とし処刑する!』
「イヤッ……イヤよ、駄目……お姉様ッッ!!」
セレーネは必死にソレイユの処刑を食い止めようとした。
しかし。
「これで良いのよ、セレーネ。私が貴女のチカラ諸共持って行ってあげるから」
彼女は、自ら処刑台に立った。
彼女は、そのチカラを民衆の為に使い、人々から敬い慕われていた。
一方、少女には同じくチカラを持つ妹君、セレーネ・シャインがいた。
月明かりの様な白銀の長い髪に、コバルトブルーの瞳を持つ儚げな少女セレーネは、ソレイユとは違い、どんな命でも奪い取る“死”のチカラを持っていた。
「お姉様……私、もう嫌よ。私が触れるもの全て私の手からいなくなってしまう」
自身のチカラに苦しんでいる事を知ったソレイユは、セレーネを助けるべく魔術師に頼み、自身のチカラを入れ替える事にした。
「大丈夫よ、セレーネ。私が代わりにそのチカラを貰ってあげるわ」
ソレイユは、セレーネに自身の生のチカラを、逆に自身は死のチカラを手にした。
それからというもの、セレーネは王女となり民衆の為にチカラを使っていた。
ソレイユは、明るくなったセレーネの姿を見つめ、心の底から喜んでいた。
そんなある日の事だった。
ソレイユが魔術師を城に呼んでいたという噂が広まると、民衆達が騒ぎ立てた。
天性のチカラでは無く、自らが望み、チカラを修得する魔術師は、この国では忌み嫌われる存在だった。
事の発端は、魔術師達による国家反逆及び、人的災害の事件が引き金となっていた。
後に隣国によるクーデターだった事が判明したのだが、以来、この国の魔術師達は罪無き迫害を受けてきた。
裏で魔術師が国を守っていた事も知らずに……。
そんな奴を城に招き入れたとなれば、例え王家の者であろうと赦されはしなかった。
『──────よって、ソレイユ・シャインを国家反逆罪とし処刑する!』
「イヤッ……イヤよ、駄目……お姉様ッッ!!」
セレーネは必死にソレイユの処刑を食い止めようとした。
しかし。
「これで良いのよ、セレーネ。私が貴女のチカラ諸共持って行ってあげるから」
彼女は、自ら処刑台に立った。
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