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キャッチボール
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俺が記憶にある、初めて親父からもらったプレゼント。
それが野球のグローブだった。
最初は使い方もよくわからないし、野球をしたこともなかったから、あまり嬉しくなかった。
でも普段は無口な親父が野球の話をしてる時は楽しそうで、ボールを投げてる姿がかっこよくて、俺もああなりたいって思った。
その日から、少しでも親父に近づきたくて、毎日親父とキャッチボールをした。
何よりキャッチボールしてるときの親父は、誰よりも楽しそうで、それが俺も嬉しかった。
それからクラブチームに入ったりして、高校生になってもずっと野球を続けた。
大きくなるにつれ、練習がキツくて辞めようって何回も思った。
けどその度に、俺が野球をしてるときの、親父の嬉しそうな顔が俺にやる気を与えてくれた。
今日は親父の三回忌。
実家の倉庫で小さい頃使ってたグローブなんて見つけたから昔の事が甦ってくる。
そんな俺を見て母が教えてくれた。
親父は昔野球選手だったこと。
プロになったけど怪我で辞めてしまった
事。
それ以来野球の話はしなくなったこと。
それから俺が産まれて、初めて行ったデパートで、大泣きするほど欲しがったものが野球のグローブだったらしい。
その事がすごく嬉しかった親父は、少しずつ野球の話をするようになった。
まだ言葉もよくわからない俺に野球のルールを楽しそうに教えていたこと。
早く一緒にキャッチボールしたいって俺の息子だから絶対上手くなるって。
グローブをあげてから毎日、キャッチボールをしようって言ってくれる事がすごく嬉しかったって。
大きくなって部活に入って家でキャッチボールをすることはなくなったけど、試合をみることが何よりの生き甲斐なんだって。
俺の最後の大会、涙なんて見せたこと無い親父がスタンドで誰よりも泣いていた
こと。
俺とキャッチボールしてくれてありがとうって。
俺の子供が野球をしたいと思うかはわからない。
だけど
いつか誘ってみようかな。
あの日グローブをくれた親父みたいに。
それが野球のグローブだった。
最初は使い方もよくわからないし、野球をしたこともなかったから、あまり嬉しくなかった。
でも普段は無口な親父が野球の話をしてる時は楽しそうで、ボールを投げてる姿がかっこよくて、俺もああなりたいって思った。
その日から、少しでも親父に近づきたくて、毎日親父とキャッチボールをした。
何よりキャッチボールしてるときの親父は、誰よりも楽しそうで、それが俺も嬉しかった。
それからクラブチームに入ったりして、高校生になってもずっと野球を続けた。
大きくなるにつれ、練習がキツくて辞めようって何回も思った。
けどその度に、俺が野球をしてるときの、親父の嬉しそうな顔が俺にやる気を与えてくれた。
今日は親父の三回忌。
実家の倉庫で小さい頃使ってたグローブなんて見つけたから昔の事が甦ってくる。
そんな俺を見て母が教えてくれた。
親父は昔野球選手だったこと。
プロになったけど怪我で辞めてしまった
事。
それ以来野球の話はしなくなったこと。
それから俺が産まれて、初めて行ったデパートで、大泣きするほど欲しがったものが野球のグローブだったらしい。
その事がすごく嬉しかった親父は、少しずつ野球の話をするようになった。
まだ言葉もよくわからない俺に野球のルールを楽しそうに教えていたこと。
早く一緒にキャッチボールしたいって俺の息子だから絶対上手くなるって。
グローブをあげてから毎日、キャッチボールをしようって言ってくれる事がすごく嬉しかったって。
大きくなって部活に入って家でキャッチボールをすることはなくなったけど、試合をみることが何よりの生き甲斐なんだって。
俺の最後の大会、涙なんて見せたこと無い親父がスタンドで誰よりも泣いていた
こと。
俺とキャッチボールしてくれてありがとうって。
俺の子供が野球をしたいと思うかはわからない。
だけど
いつか誘ってみようかな。
あの日グローブをくれた親父みたいに。
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