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第6章

68話☆

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 やけに慎重に、ヴィンスはリーナのネグリジェを脱がす。
 ヴィンスは珍しく緊張しているようで、リーナの方まで緊張がうつってきてしまった。

(初めてじゃないのに……)

 既に何度も肌を重ねているというのに。
 ヴィンスが妙に丁寧な手つきだからか、リーナまで余計に恥ずかしく感じてしまう。
 ネグリジェを取り払われてしまえば、リーナの身を隠すものはない。
 寒いかと思っていた洞窟の中。だが、不思議なことに寒さはあまり感じなかった。
 何か、ヴィンスの力でも働いているのだろうか。もしやこの、洞窟の中をぼんやりと照らす蛍火のおかげか。

「やはり、お前は綺麗だ……」

 ヴィンスの視線が、リーナの白い素肌に注がれる。
 リーナは反射的に腕で胸を隠した。

「あんまり、まじまじ見ないで……っ」

 何度肌を重ねていても、恥ずかしいものは恥ずかしい。
 自分一人だけが脱がされているものだから、余計に。

「……っヴィンスも」

 リーナはヴィンスの首に緩くかかっているタイに手を伸ばした。
 結び目に指をかけて、するりとタイを解く。

「ふ……脱がしてくれるのか?」

「駄目……?」

(私からヴィンスを求めるのは、ふしだらかしら……?)

 嫌われてしまわないかと、リーナの心に不安が過ぎる。
 そんなリーナの不安は、ヴィンスの大きな手のひらに乳房を包まれたことで霧散した。

「ひゃ……っ」

「駄目ではないが……あまり可愛いことをするなよ……。俺はもう、今すぐお前を抱きたくてしょうがないんだから」

「や……っ、ヴィン、ス……っ」

 優しく揉みしだかれて、リーナの胸の膨らみがヴィンスの手に沿うように形を変える。
 リーナは、ヴィンスのシャツのボタンにかけかけた指をビクリと震わせた。
 目の前にあるヴィンスのシャツを、縋るように握りしめてしまう。

「……なんだ? 脱がしてくれるんじゃなかったのか?」

「あ、ぁ……っ、意地悪……っ」

 ツンと尖り始めたリーナの胸の先端を、ヴィンスが軽く引っ掻くようにして弄ぶ。
 そう刺激を与えられてしまっては、指先が思うように動かない。
 ヴィンスの指先に翻弄されて、このまま蕩けてしまいそうだ。
 
「……っ、は、ぁっ」

 刺激に耐えながら、どうにか震える指でヴィンスのシャツのボタンをすべて外す。
 ヴィンスはにやりと口元だけで笑んだ。

「……よく出来ました」

 リーナの頬に小さくキスを落とし、ヴィンスはシャツを脱ぎ捨てる。
 そして、膝の上のリーナを抱えあげると、くるりと自身の身体を捻って背後のベッドに横たえた。 
 そのまま、リーナの上に馬乗りになる。

「ヴィンス……っ」

「……お前が可愛くてしょうがないって言ったろ。お前を好きな男を煽る、お前が悪い」

 ヴィンスはそう言うと、リーナの唇を自身のそれを押し付けた。

 
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