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第5章
54話☆
しおりを挟むヴィンスはリーナのネグリジェの裾を捲りあげた。
リーナの形の良い臀部が、ヴィンスの目に晒される。
今更だというのに恥ずかしくて、リーナはぎゅっと目を瞑った。
「ぁ……っ」
ピタリと、後ろからリーナの蜜口にヴィンスの熱い欲望が押し当てられる。
その熱に、硬さに、リーナの心は女としての恐怖と期待に打ち震えた。
「お前のココは、俺だけのものだ」
独占欲をあらわに宣言されて、リーナの心がぞくりと喜びを感じる。
ヴィンスはリーナの小さな入口を指で軽くなぞると、自身の反り返った欲望を押し入れた。
「ぁん、あ……ぁあ……っ!」
一気に快楽を与えられて、ヴィンスに慣らされた身体がもっと欲しいと彼のモノを締め付ける。
ヴィンスが苦しげに顔を顰めた。
「く……っ、お前、本当にいい身体してんな……っ」
「ひ、ぁ……ぁん……、あぁ……っ」
ヴィンスがゆっくりと腰を揺らし始める。
最奥目がけて打ち込まれる動きに、リーナの白い胸がふるふると揺れ、与えられる刺激に甘やかな熱が体中を巡る。
ヴィンスの欲望がリーナの蜜洞の中を擦り、どうしようもないほどの快楽が広がっていく。
押し寄せる波に乗ってしまったら戻れなくなりそうで、リーナはガラスについた手をぎゅっと握りしめた。
「ほら、俺のモノと、あの男のモノ、どっちがいい……?」
「は、ぁ……っそんなの、決ま、って……ぁんっ」
ヴィンスはリーナの顔を無理やりこちらに向かせると、唇を奪った。
ヴィンスの方がいいに決まっていると伝えたいのに、唇を塞がれているせいで伝えることが出来ない。
飲み込みきれなかった二人分の唾液が、顎を伝って床へとこぼれ落ちていく。
「ん、んん……ん、ぁっ」
「俺以外の答えは認めねーよ」
一瞬視界の端に映ったヴィンスの赤い瞳が、不安げに揺れていた。
どうしてこの悪魔は、口調は自信満々の癖に、時折自信がなさそうな態度をするのだろうか。
どうしてこんなにも不安そうなのだろうか。
(私は、あなたが好きだって伝えたのに)
ヴィンスから感じられる想いは、リーナと同じ思慕のように感じられるのに。
自惚れかもしれないが、両想いのように感じるのに。
こうしてヴィンスに貫かれて、場所も状況も何もかも吹っ飛んで快楽に溺れるくらいにリーナは夢中なのだというのに。
ヴィンスを抱きしめたい。
抱きしめて、もう一度あなたが好きなのだと伝えたい。
だが、後ろ向きで突かれているせいで、リーナの腕は届かなかった。
ヴィンスの顔を見ることさえ出来ない。
リーナはもどかしい思いを抱きながら、ヴィンスの与えてくる熱に身を任せた。
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