【完結】R-18乙女ゲームの主人公に転生しましたが、のし上がるつもりはありません。

柊木ほしな

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第1章*とんでもない専属メイド初日

13・蛇プレイはお断り

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「み、んな……?」

 アステロッドは何を言っているのだろう。
 理解できない。
 
「なぁ、みんな……?」

「ひ……っ!」

 怖い怖い怖い怖い!
 アステロッドは蛇に親しげに話しかける。

(みんなって、まさか……)

 この、蛇のことだろうか。

(確かに昔からこいつは蛇好きだったけど!)

 ゲームの中でも無類の蛇好き男だったけど!

 あいにく、ルーナはアステロッドのおかげで蛇が大嫌いだ。
 ルーナが振り払ったはずの蛇4匹。それが、するりするりと足元から這い上がってくる。

(無理! 蛇プレイは勘弁して!)

 アステロッドが微笑む様が、もはやホラーにしか思えない。
 それなのに、媚薬の熱に侵され始めたルーナの身体は、蛇の動きさえも刺激として受け取ってしまう。

「は……っ、ゃだ……っ」

 巻き付く白蛇を、早く払わないと。
 だけど、力が入らない。
 身体の芯がぞくりと震えて、胸の先端と下腹が甘く疼く。
 それは、先程王子に触れられたときに感じた体の変化に似ていて……。
 ルーナはふるりと身をふるわせて、甘い息を吐き出した。

「この媚薬は俺の最高傑作でね、男を受け入れるまで効果が切れない。だから……」
 
 アステロッドはルーナの肩をゆっくりと撫でる。
 
「っん……ぁっ」

(やだやだやだ……!)

 布越しだというのに、ルーナはびくりと反応してしまう。 
 足の付け根の奥が、花びらが疼いて、そこからとろりとしたものが溢れて下着を汚す。

(……っ)

 媚薬のせいとはいえ、こんな身体の変化を認めたくない。
 しかし現実は残酷で。
 心は嫌だと訴えているのに、身体は正直で勝手に熱を持つ。

(嫌だ)

 アステロッドの指がルーナの首にかかるリボンを解き、ブラウスのボタンにかかる。
 その指の動きを止めたいのに、止められない。
 身体がふわふわして動けないというだけではなくて、媚薬に侵された思考が、もっと触って欲しいと訴えてくる。

(こんなの私じゃない!)

 もっと、触って。
 もっと、もっと。
 この熱さを沈めてほしい。

(違う……! ダメ!)

「ルーナ、瞳が潤んでいるよ。欲しいんでしょ?」

「ちが……ぁっ!」

 アステロッドの指が、直にルーナの鎖骨をなぞる。
 ひやりとしたアステロッドの指先が触れただけで、そこがじんじんと熱を持つようだ。

「やっ、あぁ……っ」

 足首に、妙な感覚。
 ちらと視線を向ければ、白蛇の一匹が座り込んでしまったルーナの足首をチロチロと舌でくすぐっていた。

「ほら、こいつも遊んで欲しいって」

「私は遊びたくなんかな……っ、あぁっ!」

(誰か……助けて!!)

「何を、なさっているんですか」

「……っ!?」

 そんなルーナの願いが通じたのか、後ろから涼やかな声が割り込んできた。

(この声……)

 聞き覚えがある。

 ルーナは助けを求めるように、首だけ振り向けて声の主の名前を呼んだ。

「マクシミリアン……っ」
 
 緑がかった黒髪、真面目そうな漆黒の瞳。

 温室の入口には、あまり機嫌が良くなさそうなマクシミリアンが立っていた。
 
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