上 下
46 / 52
最終章

46・初めてをあなたに②☆

しおりを挟む
「私のせいで、こうなったのか?」

「ぁん……っ!」

 ツンと突き出したヴィエラの胸の先端を、オズウェルは親指でぐっと押し込んだ。
 その感覚から、オズウェルの指に反発するほど硬く尖っているのだと思い知らされて、ヴィエラの羞恥がより煽られる。

「は……ぁ、ぁあ……っやぁ……オズウェ、ル……っ!」

 こりこりと指の腹で胸の頂きを愛撫されて、そこからじんとした甘い疼きがヴィエラの体全身に広がっていった。

「お前はここがいいのだろう?」

「ふ、ぁ……っよくな……、よくない……っぁあ……っ!」

 ヴィエラはふるふると首を横に振りながら、オズウェルの腕を強く握った。
 オズウェルは否定しても無駄だとばかりに、さらにヴィエラの乳首を指でなぶる。
 甘い刺激にわななくヴィエラの唇を、オズウェルは自身のそれで塞いだ。

「んぅ……っ!」

「ん……。嘘をつけ。こんなに硬くさせておいて」 

「ンン……っん、ァン……!」

 ぴん、と尖りきった胸の先端を弾かれて、ヴィエラはびくりと身をふるわせた。
 唇が深く交わっているせいで、悲鳴さえ声にならない。

 舌をねとりと絡ませながら、オズウェルはヴィエラの背にある下着の留め金を外した。
 残っていた肩紐も外され、ヴィエラの胸をかろうじて覆っていたレースの布地がぱさりと床に落とされる。

「隙だらけの下着姿もそそられるが……。やはり、何もまとわない方がお前はより美しい」

「オズウェ……ぁっ、ふぁ……!」

 オズウェルの熱い手のひらが、ヴィエラの豊かな膨らみを包んだ。
 長い指に力を入れられる度にヴィエラの乳房へくい込んで、胸が淫らに形を変える。
 ヴィエラはもう立っていられなくて、握っていたオズウェルの腕にさらにすがってしまった。

「ひ……っ、あん……あぁっ」

 ほぐすように胸を揉まれ、時折オズウェルの指が勃ちきったヴィエラの頂きを掠めていく。指が掠める度に、ヴィエラはゾクゾクしてしまう。

(こんなの……こんなの……っ)

 恥ずかしくて恥ずかしくてどうしようもない。
 あまりの羞恥に、ヴィエラの目じりに涙が浮かんだ。

「もっと……乱れてくれ。私の手で」

 オズウェルは片方の手で胸を愛撫しつつ、反対の手をヴィエラの太ももに添えた。そのままつつ、と柔らかな手つきで撫で上げる。
 足がガクガクと震えて、もうヴィエラは膝から崩れ落ちてしまいそうだった。

(も……無理……っ)

 力が抜けて崩れる直前、オズウェルはヴィエラを横抱きに抱えあげた。
 とろんと溶けた表情をしてしまったヴィエラを、オズウェルがじっと間近で見下ろしてくる。

「……ベッドがいいか? それとも、このままここがいいか?」

「……っ!」

(ここかベッドって!)

 この先の行為を匂わせるオズウェルの言葉に、ヴィエラの頬へかっと熱が上がる。
 ここで行為をやめるという選択は、当然ながら出来ないらしい。
 なんと返せばいいのか分からず口をパクパクさせるヴィエラを、オズウェルは愛おしそうな眼差しで見つめていた。

「お前が好きな方で愛してやろう」  

  オズウェルはヴィエラを抱えたまま、少し首を曲げてヴィエラの首筋に顔を埋めた。
  そのままちゅう、と首筋を吸い上げてくる。

「……っあぁ! オズウェ……っ!」
 
  オズウェルの口付けから逃れようとしても、体丸ごと宙に浮いていて逃げることが出来ない。
 足をばたつかせても、オズウェルはまったく動じなかった。
 見た目よりもがっしりと鍛えられているらしく、ヴィエラが少々暴れたところでオズウェルはビクともしない。

「早く決めろ」

「ん、ぁ……っ」

(早くって言われても!!)

 ここ……つまりは床で愛されるか。それともベッドで愛されるか。

(どっちもされることは一緒じゃない……!!)

 それに、どの道逃げられない。
 逃げようとも思えない。

 なぜならヴィエラは、オズウェルの手の温度とその感触が心地いいと知ってしまっているからだ。
 結婚するこのときまでに、散々体に覚えさせられてしまっていた。

 最後までされたことはない。けれど今夜、今まで超えられなかった一線を超えてしまうことを理解している。
 それでもオズウェルの手が離れていくことが嫌で、ヴィエラはもうヤケになって口を開いた。

「……っ、せめて、ベッド……でお願いします……っ」
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【R18】身代わり令嬢は、銀狼陛下に獣愛を注がれる

おうぎまちこ(あきたこまち)
恋愛
 人間の国で王太子妃となるべく育てられた公爵令嬢エマ。だが、エマの義妹に獣人国との政略結婚が持ち上がった際に、王太子から「君の妹を好きになってしまった」と言われて義妹に奪われた挙げ句、エマが獣人国に嫁がされることになってしまった。  夫になったのは、獣人国を統べる若き皇帝ファング・ベスティエ。狼獣人と人間の混血である彼は、ほとんど人間といって差し支えのない存在だ。だが、あまり愛のある結婚とは言えず、妻として求められるのは月に一度きりであり、満月の前後には全く会うことが出来ない。  そんな状態が1年近く続いたある時、豹令嬢から「私は満月の日の前後、ファング様から夜の呼び出しがあっている」と告げられてしまい――? ※ムーンライトノベルズで日間1位になりました。 ※10000字数程度の短編。全16話。 ※R18は正常位(半獣人)→対面座位(獣人)→後輩位(獣姦)、苦手な人は避けてください。

【R18】お飾りの妻だったのに、冷徹な辺境伯のアレをギンギンに勃たせたところ溺愛妻になりました

季邑 えり
恋愛
「勃った……!」幼い頃に呪われ勃起不全だったルドヴィークは、お飾りの妻を娶った初夜に初めて昂りを覚える。だが、隣で眠る彼女には「君を愛することはない」と言い放ったばかりだった。 『魅惑の子爵令嬢』として多くの男性を手玉にとっているとの噂を聞き、彼女であれば勃起不全でも何とかなると思われ結婚を仕組まれた。  淫らな女性であれば、お飾りにして放置すればいいと思っていたのに、まさか本当に勃起するとは思わずルドヴィークは焦りに焦ってしまう。  翌朝、土下座をして発言を撤回し、素直にお願いを口にするけれど……?  冷徹と噂され、女嫌いで有名な辺境伯、ルドヴィーク・バルシュ(29)×魅惑の子爵令嬢(?)のアリーチェ・ベルカ(18)  二人のとんでもない誤解が生みだすハッピ―エンドの強火ラブ・コメディ! *2024年3月4日HOT女性向けランキング1位になりました!ありがとうございます!

最強騎士の義兄が帰ってきましたが、すでに強欲な王太子に調教されています

春浦ディスコ
恋愛
伯爵令嬢のセーラは国内最強騎士であるユーゴが義兄になった後、子爵令嬢から嫌がらせをされる日々が続いていた。それをきっかけにユーゴと恋仲になるが、任務で少しの間、国を離れることになるユーゴ。 その間に王太子であるアレクサンダーとセーラの婚約が決まって……!? ※タイトルの通りです ※タグの要素が含まれますのでご注意くださいませ

【R18】国王陛下に婚活を命じられたら、宰相閣下の様子がおかしくなった

ほづみ
恋愛
国王から「平和になったので婚活しておいで」と言われた月の女神シアに仕える女神官ロイシュネリア。彼女の持つ未来を視る力は、処女喪失とともに失われる。先視の力をほかの人間に利用されることを恐れた国王からの命令だった。好きな人がいるけどその人には好かれていないし、命令だからしかたがないね、と婚活を始めるロイシュネリアと、彼女のことをひそかに想っていた宰相リフェウスとのあれこれ。両片思いがこじらせています。 あいかわらずゆるふわです。雰囲気重視。 細かいことは気にしないでください! 他サイトにも掲載しています。 注意 ヒロインが腕を切る描写が出てきます。苦手な方はご自衛をお願いします。

腹黒王子は、食べ頃を待っている

月密
恋愛
侯爵令嬢のアリシア・ヴェルネがまだ五歳の時、自国の王太子であるリーンハルトと出会った。そしてその僅か一秒後ーー彼から跪かれ結婚を申し込まれる。幼いアリシアは思わず頷いてしまい、それから十三年間彼からの溺愛ならぬ執愛が止まらない。「ハンカチを拾って頂いただけなんです!」それなのに浮気だと言われてしまいーー「悪い子にはお仕置きをしないとね」また今日も彼から淫らなお仕置きをされてーー……。

大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました

扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!? *こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。 ―― ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。 そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。 その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。 結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。 が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。 彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。 しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。 どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。 そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。 ――もしかして、これは嫌がらせ? メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。 「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」 どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……? *WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。

冷酷無比な国王陛下に愛されすぎっ! 絶倫すぎっ! ピンチかもしれませんっ!

仙崎ひとみ
恋愛
子爵家のひとり娘ソレイユは、三年前悪漢に襲われて以降、男性から劣情の目で見られないようにと、女らしいことを一切排除する生活を送ってきた。 18歳になったある日。デビュタントパーティに出るよう命じられる。 噂では、冷酷無悲な独裁王と称されるエルネスト国王が、結婚相手を探しているとか。 「はあ? 結婚相手? 冗談じゃない、お断り」 しかし両親に頼み込まれ、ソレイユはしぶしぶ出席する。 途中抜け出して城庭で休んでいると、酔った男に絡まれてしまった。 危機一髪のところを助けてくれたのが、何かと噂の国王エルネスト。 エルネストはソレイユを気に入り、なんとかベッドに引きずりこもうと企む。 そんなとき、三年前ソレイユを助けてくれた救世主に似た男性が現れる。 エルネストの弟、ジェレミーだ。 ジェレミーは思いやりがあり、とても優しくて、紳士の鏡みたいに高潔な男性。 心はジェレミーに引っ張られていくが、身体はエルネストが虎視眈々と狙っていて――――

【R18】婚約破棄されたおかげで、幸せな結婚ができました

ほづみ
恋愛
内向的な性格なのに、年齢と家格から王太子ジョエルの婚約者に選ばれた侯爵令嬢のサラ。完璧な王子様であるジョエルに不満を持たれないよう妃教育を頑張っていたある日、ジョエルから「婚約を破棄しよう」と提案される。理由を聞くと「好きな人がいるから」と……。 すれ違いから婚約破棄に至った、不器用な二人の初恋が実るまでのお話。 他サイトにも掲載しています。

処理中です...