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「サモン! 貴様ぁ! 一体どういうつもりだぁ! なんでこんな所に居やがる!?」
「フンッ! どうしてバレたのか知らんが、兄貴には関係無いことだろう!」
魔王アモンと双子の弟サモンは、南の砦からやや離れた位置の上空で対峙していた。
「関係ならあるわぁ! 南の砦には俺様の嫁候補が居るんだぞ! 貴様の好きにさせて堪るかぁ!」
「ハァァァッ!? 嫁ぇ!? なんだよそれ! 兄貴は人間の国が欲しかったから攻撃してたんじゃなかったのかよ!?」
サモンは混乱していた。アモンが人間の国に攻め込んだ理由は、てっきり人間の国が欲しかったからだと思い込んでいたからだ。
だからこそ南の蛮族に手を貸し、先に人間の国を手に入れてやろうと思っていたのだ。
「知るかそんなもん! 人間の国なんか欲しくもなんともないわぁ!」
「じゃあなんで北の砦に攻め込んだんだよ!?」
サモンはますます混乱した。
「あっちには元嫁候補、現愛人候補の女が居るからだ!」
「なんだよそれ!? 訳分かんねぇよ!」
人間の国に攻め込んだのは女が欲しかったから? そんな理由で? サモンは混乱の極みに居た。
「貴様に理解して貰おうなどとは思わん! だが俺様の邪魔をすると言うなら貴様を生かしておく訳にはいかん! 覚悟しろ!」
「上等だぁ! 殺れるもんなら殺ってみやがれ!」
こうしてミランダやリリアナ達の預かり知らぬところで、魔王と双子の弟との盛大な兄弟喧嘩が幕を開けようとしていた。
◇◇◇
「ウォリャア~!」
「セイッ! ヤァッ!」
一方その頃、南の砦に程近い場所ではリリアナとクラウドが蛮族の軍勢と対峙していた。
リリアナは徒手空拳で悪鬼羅刹の如く暴れ回り、クラウドは一撃必殺の剣捌きで次々と蛮族共を血祭りに上げて行った。
ものの一時間も経たない内に蛮族の軍勢は壊滅し敗走した。
「フゥ...殿下、お疲れ様でした」
「リリアナもお疲れ様。今日はまた一段と真っ赤だね」
「殿下の方こそ」
二人とも上から下まで返り血を浴びて真っ赤になっている。
「しかし困ったな...魔族の軍勢に関する情報がなにか得られるかと思ったんだが...」
「仕方ありませんよ。手加減できる状態じゃなかったですから。それに例え生き残りが居たとしても話が通じませんからね」
「確かに...それが蛮族の蛮族たる所以でもあるからなぁ...」
クラウドは頭を振った。
「いったん戻りましょう。魔王の動向も気になるし」
「分かった。そうしよう」
この時点で二人は、今まさに魔王兄弟が骨肉の争いを繰り広げていることをまだ知らない。
「フンッ! どうしてバレたのか知らんが、兄貴には関係無いことだろう!」
魔王アモンと双子の弟サモンは、南の砦からやや離れた位置の上空で対峙していた。
「関係ならあるわぁ! 南の砦には俺様の嫁候補が居るんだぞ! 貴様の好きにさせて堪るかぁ!」
「ハァァァッ!? 嫁ぇ!? なんだよそれ! 兄貴は人間の国が欲しかったから攻撃してたんじゃなかったのかよ!?」
サモンは混乱していた。アモンが人間の国に攻め込んだ理由は、てっきり人間の国が欲しかったからだと思い込んでいたからだ。
だからこそ南の蛮族に手を貸し、先に人間の国を手に入れてやろうと思っていたのだ。
「知るかそんなもん! 人間の国なんか欲しくもなんともないわぁ!」
「じゃあなんで北の砦に攻め込んだんだよ!?」
サモンはますます混乱した。
「あっちには元嫁候補、現愛人候補の女が居るからだ!」
「なんだよそれ!? 訳分かんねぇよ!」
人間の国に攻め込んだのは女が欲しかったから? そんな理由で? サモンは混乱の極みに居た。
「貴様に理解して貰おうなどとは思わん! だが俺様の邪魔をすると言うなら貴様を生かしておく訳にはいかん! 覚悟しろ!」
「上等だぁ! 殺れるもんなら殺ってみやがれ!」
こうしてミランダやリリアナ達の預かり知らぬところで、魔王と双子の弟との盛大な兄弟喧嘩が幕を開けようとしていた。
◇◇◇
「ウォリャア~!」
「セイッ! ヤァッ!」
一方その頃、南の砦に程近い場所ではリリアナとクラウドが蛮族の軍勢と対峙していた。
リリアナは徒手空拳で悪鬼羅刹の如く暴れ回り、クラウドは一撃必殺の剣捌きで次々と蛮族共を血祭りに上げて行った。
ものの一時間も経たない内に蛮族の軍勢は壊滅し敗走した。
「フゥ...殿下、お疲れ様でした」
「リリアナもお疲れ様。今日はまた一段と真っ赤だね」
「殿下の方こそ」
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「しかし困ったな...魔族の軍勢に関する情報がなにか得られるかと思ったんだが...」
「仕方ありませんよ。手加減できる状態じゃなかったですから。それに例え生き残りが居たとしても話が通じませんからね」
「確かに...それが蛮族の蛮族たる所以でもあるからなぁ...」
クラウドは頭を振った。
「いったん戻りましょう。魔王の動向も気になるし」
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この時点で二人は、今まさに魔王兄弟が骨肉の争いを繰り広げていることをまだ知らない。
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